ドSの''天然少女攻略本''
□第3話
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『というわけで、お兄ちゃんお願い!』
あの後、でにぃずを出て屯所に帰ってきた凛は、早速近藤にお願いした。
「真選組に入るゥゥゥ!?いけませんんんんん!!真選組は、危ないおじさんとかカエルとかゴリラとかニコ中とかと戯れなきゃいけないんです!!許しません!!お兄ちゃんは許しません!」
「ゴリラはアンタだっつーの。つかニコ中って俺か?俺のことなのか?」
土方はまたもや煙草を片手に突っ込む。
『私も刀持ちたい!!お兄ちゃんやそーくんやトシくんと見廻り行きたい!!居候じゃ嫌だよ…』
「だ、だが………」
反論を言おうとした近藤を、土方は制した。
「形だけならいいんじゃねぇの?近藤さん。見廻りとかなら俺たちで守れる。それに、いざとなったら総悟がなんとかするだろ」
土方は沖田を見る。
「よーく分かってるじゃないですかィ、土方さん」
「トシも総悟も凛に甘過ぎるぞ…」
「アンタも人のこと言えねぇだろ」
凛の屯所住まいや真選組入隊を許可したのは土方なりの罪滅ぼしだ。
武州に置いてけぼりにしてしまった…今はもういないミツバの分も、そして同じように置いてけぼりにし寂しい思いをさせてしまった凛への。
凛は自分の意志でここに来た。
彼女の気持ちが軽いものではないことも、土方は分かっていた。
「凛も生半可な覚悟じゃねぇと思うし…いいだろ」
土方は凛の頭をぽんぽんと軽く叩いた。
『トシくんありがとう……!』
凛は嬉しそうに土方を見て微笑んだ。
その愛らしい表情に、土方は赤面した。
「死ね土方、誰のもんに向かって赤面してるんでィ」
「おめーのもんでもねぇだろ!!」
凛はきょとんとしている。
「俺が凛の面倒をおめぇに見させてんのはおめぇが一番歳が近いからだ!!」
「凛は昔から俺のもんでさァ」
「違ェよ!凛をこんなドSに渡すわけにはいかねぇ…!」
土方と沖田は何やら揉めだした。
『お兄ちゃん…そーくんとトシくん、どうしたの?』
「ん?相変わらず凛は鈍いなぁ!!」
近藤は笑いでごまかした。