ドSの''天然少女攻略本''

□第6話
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―――――…

凛の体調も落ち着き、屯所にも一時の平和が訪れたある日の朝。

「いけませんんんんんんんん!お兄ちゃんは絶対許しません!!」

近藤の叫ぶ声が響いた。

「今回ばかりは俺も反対だ、凛」
『なんでー!?』

お騒がせな凛ちゃん、今度は桂にお礼を言いたいと言い出したそうで。
もちろん真選組の局長として、兄として近藤はそれを反対した。
だが、ここで引き下がるような凛ではない。

『お兄ちゃんが、何かしてもらったらお礼を言いなさいって言ったんだよ!私はそれをしようとしているだけだもん!』
「あ、相手はあの桂だぞ!?人伝いならまだしも、直接なんて許すわけには……」

近藤が言っていることに間違いはない。
相手は攘夷だ。
先日のようなことをまた引き起こしたら今度こそ武州へ帰されるかもしれない。

『そ、そーくんも反対なの…?』

黙ったままの沖田に凛は尋ねた。

「俺も反対でさァ」
『そっか………』

沖田はあの返り血に塗れた凛を見るのはもう嫌だった。

『…直接じゃないならいいんでしょ?』

凛は何か思いついたように、近藤を見た。

「百歩譲ってだぞ、凛!いいと言ったわけでは……っ」
『大丈夫!無茶しないから!』

そう言って、凛は颯爽と屯所を飛び出していった。
凛の脳裏に浮かぶのは、沖田の言葉。

―――所謂なんでも屋ってやつ

凛は万事屋へと走っていった。


―――

「あり、また凛の奴出ていっちまいやしたね」
「大方どこに行ったか想像がつくがな。総悟、少し経ったら迎えに行ってやれ」
「へーい」
「なんで凛はあんなに落ち着きがないんだ…」

近藤の嘆く声が聞こえた。
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