ドSの''天然少女攻略本''

□第9話
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「…今の聞いただろ。オメェら来なかったら新八の姉ちゃんに殺さんだよ。マジで頼む」

小声で言う銀時を見て土方と沖田は互いに目を合わせると、凛を連れスナックすまいるへと入っていった。

―――――…

スナックすまいるの中には、キャバ嬢の格好をした神楽と新八と桂が。

「銀さん、可愛い子いたんですか……って土方さんと沖田さん!?それに凛さんも!!」

新八は土方と沖田と凛の登場に驚いている。

『神楽ちゃん久しぶりー!』
「凛アル!!」

神楽は嬉しそうに凛に抱きついた。

「なんで幕府の犬が……」
「土方さん、桂がいやすぜ」
「桂じゃない、ヅラ子だ」

腕を組み不機嫌そうに言うのは、綺麗に化粧をされた桂。

「指名手配犯がキャバ嬢…?おい万事屋、どういうことだコレは」

土方その辺のソファーに腰を下ろすと、銀時…基パー子に訊ねた。

「見ての通りですよぉ、お客さぁん」
「その喋り方止めろ」
「連れねぇなぁ…土方くんよぉ」

銀時は面倒くさそうに、土方に話始めた。

「新八の姉ちゃんとこのキャバ嬢の間でまた風邪が流行してるらしいんだよ。なのに今日に限ってお得意さんが来るんだとよ」
「で、その数少ねぇキャバ嬢をやれってか?」

土方は明らかにイラッとした表情をしている。

「断る。おい、総悟、凛…帰るぞ」

ソファーから立ち上がると、土方は神楽と戯れる凛や桂と追い掛けっこ(?)する沖田に声をかけた。

ガシッ

と、立ち上がった土方の手を誰かが掴んだ。

「俺は帰……っ!?」
「誰が逃がすか…。大丈夫よ、土方さんは元々綺麗なお顔してますから、きっと誰よりも綺麗なキャバ嬢になれるわ」
「俺はなりたくな…ちょっ、総悟助け……」

ずるずるずる…

ばたん。

土方は妙により奥の部屋へと連行されて行った。

「土方さん行っちまいやしたねィ。凛、今のうちに帰るぜィ」
「させるかぁ!!神楽、凛をあっちの部屋へ連れていけ!!」
「あいさー!」
『え?ちょっ、神楽ちゃん!?』

銀時に命令された神楽は、凛を抱き上げ土方の入っていったものとは別の部屋へと去っていった。

「さて…」

表に残っているのは、新八と銀時と桂。

「だ、旦那…俺は……」
「大丈夫だよ、沖田くん可愛い顔してるから」

苦笑いで後退る沖田を、銀時はにこにこと笑みを浮かべ近づく。

「ちょっ、旦那!!やめぇぇぇぇぇえ!」

スナックすまいるに、沖田の叫び声が響いた。

「今日も江戸は平和だな」
「いや、なんでアンタは呑気に茶啜ってるんですか!」

土方、沖田、凛が出てきたのはそれから15分後の事である。



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