主食。

□Melancholic
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廊下を歩いていると、部屋の窓辺に座り空を眺めている沖田さんがいた。

ああ、そうか、今日は雨か。
憂鬱だ…とか呟いて。

「旦那のとこ行けませんもんね」

そう言って横に座ったら怒られた。
それにしても沖田さんは旦那のどこが好きなんだろう。
ダメ元で聞いてみた。

「……優しい、とこ」

やさ……っ!?
旦那優しい?

あ、沖田さん限定か。

沖田さんは万事屋の旦那の話をするとき、凄く優しい顔をする。
愛されてるなァ、万事屋の旦那。

ふと、後ろで気配を感じた。
戸は入ってきたとき閉めてるから誰かは分からないけど、気配で分かった。

「旦那に、会いたいですか?」
「あ、当たり前でィ。でも、今日は会えねぇや……」

そうでもないみたいですよ、沖田さん。

戸を開けた沖田さんを見て、思った。

この人は心の底から旦那が好きなんだろうな、って。

会いたかったなんて思ってない、とか言いつつ嬉しそうな顔。
ここは空気を読んで部屋から出ていくことにした。

「……にしても」

旦那は全部聞いてたんだろうな。
旦那の好きなところとか、会いたいとか。

旦那の屯所の出入りは本当は禁止なんだけど、沖田さんが幸せそうだから何も言わないことにした。


その後、街でパトカーを運転する旦那と助手席に座る沖田さんの姿が目撃された。



End.
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