長編夢小説
□死神を愛した天使
1ページ/6ページ
−ここは天界−
「はぁ・・・」
泉のふちに座り、ため息をつく一人の天使。
この世のものとは思えない程美しい天使であった。
長く眩いばかりに輝く銀色の髪、整った顔、金色の瞳、そして美しい白い翼。
「大天使恵梨華様、またここにいらしたのですか」
恵梨華は声をかけられハッと我に返った。
「エクシア・・・恵梨華に何か用?」
恵梨華は不機嫌そうに答えた。
「大天使恵梨華様、そのような言葉遣いはお控えください。仮にも貴方は・・・」
「お父様の事を言うのはやめて!もううんざりなの・・・」
「しかし・・・大天使恵梨華様はいずれこの天界を統べるお方」
それを聞くと恵梨華はまたため息をついて泉に映る一人の男を見た。
「エクシア・・・私決めたの、人間界に行く」
「な・・!?」
エクシアは言葉を失っていた。
そんなエクシアを見て苦笑しながら恵梨華は立ち上がると泉に向かって祈りを捧げた。
「泉よ、私を人間界に連れて行きなさい。代償が必要ならば私は大天使である事も何もかも全てを捨てる!」
「大天使恵梨華様!い、いけません!」
「ふふ・・・エクシア、今までありがとうね」
泉は眩いばかりに光りだした。
そのまま恵梨華は泉に飛び込んだ。