短編夢小説V

□死神界に伝わる伝統のゲーム
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「それじゃ、私から取るよね!」





そう言って一枚のカードを手に取った。





「(3番かー・・・おっと、表情に気を付けないと)」





恵梨華は王様じゃなかったことに、一瞬気を落としそうになったが、何とかポーカーフェイスを保つ。





「それじゃあ次は小生が・・・」





「ちょっと待ちなさいヨ!何で次がアタシじゃないのヨ?」





葬儀屋がカードに手を伸ばしたのを見たグレルが抗議の声を上げた。





「おや・・・ヒッヒッヒ・・・さ、グレルさんの番だよぉ?」





しかし完全に無視して次の手を急かす。





「無視するんじゃないわヨ!ったく!しょうがないわ・・・これね!」





何を言っても動じない葬儀屋についに諦め、グレルも恵梨華のようにカードを引いた。





「最後は私ですが・・・やはりもうすでに死神はここにはなさそうですね」





溜息を吐きながら最後のカードを引くセバスチャン。





そしてここで全員の一声。





「「王様だ〜れだ!」」





「もちろん小生だよ〜?ヒッヒッヒ・・・」





葬儀屋が立ち上がり、死神のカードを皆に見えるようにする。





「やはり貴方でしたか・・・」





「それでぇ、命令はどうするのヨ?」





「ヒッヒッヒ・・・それじゃあ、3番にメイド服を着てもらおうかなァ?」





「え、私?ん〜・・・しょうがないなぁ・・・」





突然自分の番号が呼ばれたのでビクッとし、しぶしぶと命令を受け入れる恵梨華。





「あ、そうそう服は隣の部屋のクローゼットの中だからねぇ?」





部屋を出て行こうとすると葬儀屋が場所を教えてきたので、一度頷いて部屋を出て行った。





「なるほどねぇ〜ああやってゲームを進めて行けばいいのネ。ちなみにアタシは1番だったわヨ」





「まあそう言うことですね。私は2番ですが」





三人が他愛もない雑談をしていると、ドアがすごい勢いでノックされた。





「どうしたんだい?そんなに慌てて・・・ヒッヒッヒ」





ニヤニヤしている葬儀屋以外は呆気に取られている。





「何この服!聞いてないよ!?」





ノックの主は恵梨華だった。





どうやら相当取り乱している様子である。





「そりゃそうさ〜小生は何も言ってないからねェ〜ヒッヒッヒ・・・ほら、早くおいでぇ?」





恵梨華の様子などお構いなしな葬儀屋は、恵梨華を急かす。





「うぅ・・・これすごく恥ずかしいんだけど・・・」





意を決したように戻ってきた恵梨華だった。





しかし、右手でスカートの裾を引っ張るように、左手で胸元を隠そうとしながら、顔を真っ赤にしている。





「これは・・・」





「何て破廉恥ナ!」





どうやら特注のメイド服らしく、スカートの丈は太ももの半分ぐらいより少し上、胸元はかなり空いていた。





「ヒッヒッヒ・・・可愛いよ恵梨華・・・さぁ、続きをしよう!」



-END-
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