短編夢小説V

□もしも葬儀屋の人格が違っていたら
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「ねぇ、アンダーテイカー。買い物に行かない?」





葬儀屋はその言葉にピクリと反応した。





「ぐふっ・・・ぐふふ・・・いいねェ〜?たまには野外プレイっていうのも悪くないよ」





妄想が進んでしまっているのだろうか。





葬儀屋は頬を赤らめながら、口端からはだらしなく涎が垂れ、小刻みに震えていた。





「か、買い物に行くだけよ・・?」





若干引き気味の恵梨華。





葬儀屋を見るその目は蔑むような目だった。





しかし葬儀屋にとっては、そんな事はどうでもいい事だった。





「ヒッヒ・・・放置プレイも悪くないねェ〜」





「ば、ばか・・・・・・ほ、ほら、買い物に行くよ?」





すると葬儀屋は、棺に座っていた恵梨華をヒョイッとお姫様抱っこした。





「・・・・・え?」





彼の異常な行動に、恵梨華は固まってしまっていた。





これから買い物に出かけるというのに何故お姫様抱っこなどされているのだろうか、と。





「んと・・・・出掛けるんだよ・・・ね?」





腕の中から不思議そうな顔で葬儀屋を見上げる恵梨華。





恵梨華と目が合うと、葬儀屋は不思議そうに首を傾げた。





「恵梨華の足が疲れてしまったら困るだろう?それに・・・」





葬儀屋の口元が妖しく歪められる。





「君が地面を踏むだなんて有り得ないよ。・・・ヒッヒ・・・君が踏むのは小生の・・・」





嫌な予感がした恵梨華は、慌てて葬儀屋の口を両手で塞いだ。





「お、お馬鹿!早く降ろしてよ!」





恵梨華の叱咤に興奮しながらも、葬儀屋はしぶしぶ恵梨華を床に降ろした。





「見下ろして見る恵梨華もいいけど・・・小生はやっぱり下から見上げていたいねェ〜」





突然四つん這いになる葬儀屋。





「あぁあ〜・・・やっぱりその怒った表情を見上げるのは極上の快楽だよ・・!」





涎を垂らしながら恵梨華を見上げる。





その表情は恍惚としていて。





そんな情けない姿に、不覚にも恵梨華の心臓は高鳴ってしまった。





「(その顔は・・・反則よね・・)」





葬儀屋を見下ろしながら、恵梨華は静かに息を呑んだ。





そしてそれ以上葬儀屋のペースに流されないように、フイッと顔を逸らす。





「さ、さぁ・・・買い物に行きましょ?」





恵梨華の心情を察したのか、葬儀屋はフッと笑った。





「ぐふっ・・・帰ってきたら君の気が済むまで・・・小生を虐めてくれるか〜い?ヒッヒッ」





「・・・・その時は・・・お仕置きだけどね」





その言葉を聞いた途端、葬儀屋のテンションが最高潮に達した。





「ヒヒヒッ、それは楽しみだ」





こうして二人は買い物へと出掛けて行った。



-ドM END-
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