長編夢小説

□恋する乙女はすてみタックル
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「でねー、そいつったら気安く声かけてくるのよー?」





「最低ネ!女性を何だと思ってるのかしラ?」





「でしょでしょ!さすがグレル、話が分かるじゃない?」





「当たり前ヨ☆アタシを誰だと思ってるの?」





グラスに入ったワインを傾けながら乙女話に花を咲かせる二人。





「アラ〜?もうこんな時間ネ」





グレルは時計を見ながら言った。





お酒が入り、気分がよくなっている恵梨華も時計を見て驚いた。





「やだぁ!明日遅刻したらまたウィルに起こられちゃうわ!」





「あぁん、恵梨華ったら〜、そんな事言わないで今夜は二人で飲み明かしまショ?」





「ん〜・・そうね!グレルと話してると楽しいもん♪」





恵梨華はそういうとグレルの腕に抱きついた。





そしてグレルの肩にもたれかかった。





「(・・・やっぱり恵梨華はアタシを男として見てないのかしら・・)」





グレルは少しだけ寂しそうな顔をした。





しかし酔っている恵梨華はそんな事に気が付かない。





「ほら、グレル。乾杯しましょ?」





笑顔でグレルを見つめた。





お酒のせいで上気した頬。





とろんとした瞳。





グレルは恵梨華のそんな姿に頬を赤らめた。





「ソ、ソーネ!乾杯しまショ!」





グレルは湧き上がる欲望を抑えつつ、慌ててグラスを手に持った。





チンッ・・・





ワイングラスの中身が揺れる。





恵梨華とグレルは見つめあい、そして一気にワインを飲み干した。





それから暫く会話に花を咲かせながらどんどんワインを開けていく二人。





時刻が4時を回った頃、恵梨華はグレルよりも先に酔いつぶれてしまった。





「チョット恵梨華?そろそろ帰らないとまずいワヨ?」





隣で酔いつぶれている恵梨華を揺さぶるグレル。





「ん〜・・・」





恵梨華は殆ど意識のないようで、スヤスヤと眠っていた。





「ハァ・・・仕方が無いわネ」





グレルは諦めたかのように恵梨華を抱きかかえた。





そして恵梨華を抱えたまま、自宅へと向かった。





「(アラ・・・無防備な寝顔ネ・・)」





グレルは恵梨華の頬にそっと口付けをした。





そして起こさないように自分のベットに寝かせる。





「(うーん・・・さすがに一緒のベットじゃまずいかしら・・?)」





少し考えたグレルだったが、グレルの家にはベットが一つしかない。





戸惑いながらもグレルは恵梨華の隣に寝転んだ。





「(今日くらい・・・いいわよネ♪)」





グレルは恵梨華をギュッと抱き寄せながら自分も眠りに落ちた。


























「ふぁ〜・・・今何時〜?」





恵梨華が眠そうな目を擦りながら時計を探していた。





「ん・・?ここは・・・?」





寝惚けているのか、まだ状況が理解出来ていない様子だった。





「アラ、恵梨華☆おはよー♪」





隣で寝ていたグレルも目を覚ました。





「あ、おはよう・・・ん?!え!?」





恵梨華は寝惚けていた脳が一気に覚醒した。





「へ?!な、何でグレルが?!」





恵梨華は思わず自分の格好を確認した。





「ンフッ☆別に何もしてないわヨ♪」





慌てる恵梨華を面白そうに見ているグレル。





「(少しはアタシの事、男として見ててくれたのネ♪)」





「そ、それならいいけど・・・ってか今何時?」





「ンー?・・・13時27分・・・ネ」





「っ〜〜〜〜!」





恵梨華は声にならない叫び声を上げていた。





「グレル!急ぐわよ!ウィルに怒られちゃう!」





恵梨華はグレルの手を無理矢理引っ張り、大急ぎで協会へと向かった。





「ハァ・・・ハァ・・」





エントランスで息を切らしている恵梨華。





全速力で走ってきたため、苦しそうに壁に持たれかかっていた。





「グ、グレル・・ウィルに見つかる前に早くリスト貰って人間界に行っちゃいましょ・・」





「・・・誰に見つかる前にですか?」
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