超短編夢小説T
□王子様は柩の中
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日が沈み、闇夜に月が妖しく輝いていた。
ここはアンダーテイカーの店の中。
店にある大きめの柩の中に二人はいた。
「や、やっぱり狭いよ・・・」
「ん〜?そうかい?小生はこのくらいの方が・・・」
恵梨華の上にアンダーテイカーが抱きしめるように覆いかぶさっていた。
「これじゃぁ・・・寝れないよ!」
「ヒッヒッヒ・・・それじゃあ今夜は・・・寝かせないよ〜?」
ペロリと恵梨華の唇を舐めるアンダーテイカー。
そのまま唇と唇を重ねた。
「んっ・・・」
軽く触れるだけの口付け。
ちゅ・・・
短いリップ音を鳴らしてついばむようなキスだった。
「・・・可愛いねェ、小生をどこまで溺れさせたら気が済むんだい?」
「えっ・・・・んんっ・・・」
喋ろうとした恵梨華の言葉はアンダーテイカーの口の中に消えていった。
先程のキスとは違い、口内に舌が進入してきた。
ねっとりと、そしてゆっくりと恵梨華を味わうかのように丁寧に舐め上げていく。
舌と舌を絡め、柩の中にくちゅくちゅといやらしい音が響く。
歯茎を舐められ、ぞくぞくとした快感が恵梨華を襲う。
「ヒッヒ・・・誘っているのかい?」
「ち、ちがっ・・・///」
潤んだ瞳、上気した肌、甘い吐息・・・
すべてがアンダーテイカーを狂わせていた。
アンダーテイカーの唇が恵梨華の耳元へと移動した。
「愛してるよ・・・恵梨華」
耳元で囁かれる。
独特の低音ボイスが心地よかった。
次の瞬間、アンダーテイカーは恵梨華の耳を口に含んだ。
「ぁっ・・・」
思わず漏れる甘い声。
アンダーテイカーはニタリと笑った。
まるで恵梨華の反応を楽しむかのように舌を動かす。
そのたびにピクピクと体が震えた。
耳元でいやらしい音が聞こえる。
それだけで恵梨華は気が狂いそうだった。
意識が朦朧とする中、恥ずかしさのあまりアンダーテイカーの胸元を手で押していた。
「やめて欲しいのかい?」
意地悪く挑発的に笑うアンダーテイカー。
「っ・・・///」
やめて欲しくない、なんて言えない恵梨華。
頬を真っ赤に染めながら、小さく首を横に振った。
「ヒッヒ・・・今日はやけに素直だねェ?小生はおかしくなりそうだよ・・・」
アンダーテイカーの唇が耳元から首筋に移動した。
その瞬間、ちくりとした痛みが走った。
アンダーテイカーが唇を離すと、そこには真っ赤な薔薇が咲いていた。
「あぁ・・・小生の恵梨華・・・」
うっとりした表情を浮かべるアンダーテイカー。
そんなアンダーテイカーに見惚れていると、ぺろりと首筋を舐められた。
「あっ・・・」
不意をつかれ思わず声が出た。
「どこまで小生を狂わせれば気が済むんだい・・・?」
前髪をかきあげ、恵梨華を愛しそうに見つめた。
どこまでも優しい、そして妖艶な瞳。
まるで時間が止まってしまったかのように見つめ合った。
徐々に唇と唇の距離が縮まる。
「永遠に・・・小生の傍にいてくれるかい?」
「うん・・・愛してるよ、アンダーテイカー・・・」
「小生もだよ・・・恵梨華・・・」
甘い雰囲気の二人。
でも恵梨華はある事を思いついた。
「ヒヒッ・・では小生に誓いの口付けをおくれ?」
悪戯に笑う恵梨華。
「ぶっ!・・・小生をどこまで魅了すれば気が済むんだい?」
暖かい雰囲気に包まれ、アンダーテイカーはそっと恵梨華に口付けをした。
永遠に離れない、愛の口付けを・・・。
-END-