超短編夢小説T
□書けないの
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「・・・だめだ。書けない」
いつもなら次々とアイデアが浮かんでくる。
しかし今日は頭の中がからっぽだった。
何も思いつかない。
頭をかきむしりながら机代わりにしているカウンターに倒れた。
「おやおや・・・珍しくスランプかい?」
人体模型を磨いていたアンダーテイカーが声をかけてきた。
「そうなの・・・考えても考えても・・・頭の中が真っ白なの・・・」
「少し散歩にでも行こうか?ほら・・・おいで、恵梨華」
アンダーテイカーは恵梨華に手を差し伸べた。
「こ、こんな時間に・・・?」
「恵梨華は太陽が嫌いだろう?」
「ま、まぁそうだけど・・・」
「今夜は月が綺麗だよ」
「・・・・・アンダーテイカーの方が綺麗だもん」
さらりと本音を言う恵梨華。
「ヒッヒッヒ・・・嬉しいけどねェ?小生は恵梨華の方が綺麗だと思うよ」
「う・・・///」
恥ずかしくてアンダーテイカーの方を見れない恵梨華。
アンダーテイカーはそんな恵梨華をそっと抱き寄せた。
「可愛いよ・・・恵梨華」
耳元で囁かれる。
アンダーテイカーは前髪をかきあげ、妖艶な笑みを浮かべた。
そんなアンダーテイカーを見た途端、何かがプツリと音を立てて崩れ落ちた。
ドサッ−
恵梨華はアンダーテイカーを押し倒した。
「恵梨華・・・?」
「アンダーテイカーが悪いんだよ?そんな美しい顔見せるから・・・」
恵梨華はアンダーテイカーの唇を奪った。
舌を進入させ、アンダーテイカーの舌と絡める。
くちゅ・・・くちゅ・・・
いやらしい音が店内に響いた。
歯茎をなぞるように舐めると、アンダーテイカーは眉をピクリと動かした。
「ハァ・・・恵梨華・・?急にどうしたんだい・・?」
恵梨華は無言のままアンダーテイカーの首に唇を落とした。
「っ・・・!恵梨華・・・ちょっとお待ちよ・・・!」
首筋をツーッと舐める。
「アンダーテイカー?頬っぺた赤いよ?大丈夫?」
小悪魔な笑顔を浮かべる恵梨華。
分かってるくせに気づかないフリをする。
「だ、誰のせいだと思ってるんだい・・!」
恵梨華はアンダーテイカーの耳たぶを銜えながら耳元で囁いた。
「愛してるよ・・・アンダーテイカー」
そのまま耳を舐めだす。
「っ・・・お、お止め・・・よ・・」
「アンダーテイカーって耳弱いんだ?」
「な、何を言ってるんだい・・・っ」
恵梨華はわざとじゅるじゅると音を立て舌でなぞった。
アンダーテイカーは息を荒くして何かに耐えている。
「苦しそうだよ?・・・ココ」
恵梨華の手がするすると下の方へおりていく。
アンダーテイカーは思わず息を呑んだ。
「恵梨華・・・小生はもう・・・」
アンダーテイカーの言葉を遮るように恵梨華が言った。
「お散歩行こ?♪」
アンダーテイカーの上から降り、扉の方へ向かう恵梨華。
しかしアンダーテイカーに腕を掴まれた。
「逃がさないよぉ?」
そのまま腕を引っ張られ、抱きしめられた。
「今度は小生が楽しむ番だからねェ・・・?ヒッヒッヒ・・」
恵梨華は取り返しのつかない事をしてしまったと後悔していた。
「い、いや・・あれは・・・事故というか何と言うか・・・」
必死に弁解しようとする恵梨華。
しかしアンダーテイカーは聞く耳持たなかった。
「さあ・・・今夜は寝かせてあげないよぉ?」
-END-