超短編夢小説U

□糖分が足りない
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「ちょ、ちょっと・・・アンダーテイカーってば・・・!」





街で買い物をしていた恵梨華と葬儀屋。





何事もなく買い物をしていた二人だったが、葬儀屋は突然恵梨華の手を掴んだ。





そして恵梨華を引きずるようにグイグイと引っ張っていく。





恵梨華は困惑しながらも、されるがままだった。





街が段々遠ざかっていく。





「ねぇ・・・アンダーテイカー?」





「・・・・・」





先程から話しかけても何も答えてくれない葬儀屋。





そして二人は森の中へと入っていった。





昼間だと言うのに薄暗い不気味な森。





恐怖からか、恵梨華の心臓は高鳴っていた。





そして森の奥深くまで来ると、ようやく葬儀屋は恵梨華の手を離した。





「やっと二人きりになれたね」





ニヤリと妖艶な笑みを浮かべる。





ドキッ―





怖さから来ていたドキドキ感が、恋のドキドキ感に変わっていった。





「ふ、二人きりになりたいだけなら・・・店に戻ればよかったのに・・・?」





「店には邪魔者が来るじゃないか・・・小生はね・・・恵梨華とこうして・・・」





無造作に帽子を投げ捨てると、前髪を上げ、恵梨華の額に自分のをくっつけた。





「甘い時間を過ごしたかったのさ」





葬儀屋の熱い吐息がかかる。





お互いの呼吸がはっきりと分かるくらい近い距離。





恵梨華は目の前で輝く黄緑色の瞳を吸い込まれるように見つめていた。





葬儀屋の美しい瞳に見惚れていると、その瞳がふいに細められた。





「君が好きなのは・・・瞳だけかい?」





「えっ・・・?」





葬儀屋は恵梨華の手を取ると、自分の唇へと持っていった。





そして恵梨華の指でその柔らかな唇をなぞる。





「ここは・・・どうだい?」





「あっ・・・」





耐え切れなくなった恵梨華は、思わず自分の唇をその唇に押し当てた。





プニプニとした柔らかい感触。





押し付けるだけでは満足出来なくなったのか、唇の隙間から舌を進入させた。





「んっ・・・・」





身体がピクリと強張る葬儀屋。





恵梨華はそんな反応を楽しむかのように口内を刺激していった。





歯茎をなぞると、葬儀屋の呼吸はどんどん荒くなっていく。





頬を赤らめ、苦しそうにその綺麗な顔を歪める。





恵梨華は楽しそうに口付けながら銀色の長い髪を弄んだ。





そして満足したのか、恵梨華はそっと唇を離した。





名残惜しそうに唇と唇の間を透明な糸が繋いでいる。





「ハァ・・・ハァ・・・恵梨華・・・ッ」





物足りないのか、葬儀屋は切なげに恵梨華の名前を呼んだ。





恵梨華はニィッと口角をあげた。





「どうしたの?苦しそうだよ?」





わかっているのに焦らすように問いかける。





葬儀屋は恵梨華を包み込むように抱きしめた。





「足りないよ・・・恵梨華・・・」





「ふふ・・・外で最後までしたいの?」





「ッ・・・!///」





葬儀屋は驚いたように目を見開いた。





恵梨華はそんな葬儀屋の首筋に顔を埋めた。





そしてペロリとなぞるように舐めあげる。





「・・・っは・・・・恵梨華・・・!」





そのもどかしい感覚に身をよじらせる。





「誘ってきたのはアンダーテイカーだよ?ほら・・・じっくりと堪能させてもらうからね・・?」



-END-

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