連載夢小説U

□魂より大切なものU
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恍惚な表情を浮かべる葬儀屋。





恵梨華は抑えていた何かが爆発した。





思わず葬儀屋を床に押し倒す。





葬儀屋の長い銀色の髪が、無造作に散らばっている。





恵梨華は呼吸を荒くしながら、愛おしそうにその頬に触れた。





「ハァ・・・ハァ・・・アンダーテイカーがいけないんだよ・・・?」





「ヒッヒ・・・上に乗ってる君も魅力的だけど・・・」





ゴロンと横に転がると、立場が一気に逆転した。





「やっぱり小生はこの方がしっくりくるよ」





妖艶な笑みを浮かべる葬儀屋。





まるで獲物を目の前にした獣のように、ペロリと舌なめずりをした。





抵抗しようにも、両手を押さえられていてどうする事も出来ない。





その間にも葬儀屋は口で恵梨華の服のボタンを外し始めた。





「ヒッヒッヒ〜、本当に小生の服そっくりだねぇ〜?」





「やっ・・・!な、何で外してるの・・・!?」





「誘ってきたのはそっちだろ〜う?」





ニヤッと口角が上がる。





そして挑発的な瞳で見つめられる。





心臓が早まるのを感じた。





「あっ・・・で、でもその前に・・・!」





「ん〜?」





葬儀屋はボタンを外す作業をやめ、恵梨華の顔を覗き込んだ。





ゴクリ、恵梨華の喉が動く。





「その前に・・・・・アンダーテイカーの裸が見たいです」





「ブッ!」





恵梨華の顔面に葬儀屋の唾が大量に飛んできた。





馬乗りになっていた葬儀屋だったが、耐え切れなくなったのかお腹を抱え床に転がっていた。





「わ、私、結構真剣なんだけど!」





「ぎゃーっはっはっはっは!」





真顔で怒る恵梨華。





それが更に葬儀屋を笑いの地獄へと突き落としていった。





「ヒーッヒッヒッ!か、勘弁しておくれよ・・・!アッハッハ!」





苦しそうに涙を流しながら爆笑している葬儀屋。





勿論恵梨華に笑わせる気などない。





恵梨華は困ったように近くにあった棺に腰掛けた。
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