短編夢小説V

□君は小生の着せ替え人形
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―カラッ・・ジャララッ・・・





地下室の部屋に響く鎖の音。





「ヒ〜ッヒッヒッ」





葬儀屋は鎖で繋がれた恵梨華を見ると、高らかに笑っていた。





「ッ・・・・アンダーテイカー・・・!一体どういうつもりなの・・!?」





黄緑色の強い燐光を放ちながらキッと葬儀屋を睨みつける恵梨華。





鎖を引きちぎろうとするが、いくらもがいてもその鎖は恵梨華の手首に食い込むだけ。





そしてそんな姿は葬儀屋の欲望を煽るだけだった。





「いい眺めだ・・・」





色香のある低い声で甘く囁く。





葬儀屋は恵梨華の手首にそっと唇を寄せた。





「赤くなっているじゃないか・・・気をつけておくれよ、君の身体は小生のモノなんだからね」





その言葉を聞いた瞬間、恵梨華は葬儀屋に殴りかかった。





―ガッ・・!





勿論その攻撃は鎖によって阻止される。





「イ〜ッヒッヒッ!その鎖は特別製でねえ〜?いくら君でも引きちぎれないよ」





「くっ・・・!」





恵梨華は悔しそうに唇を噛み締めた。





「―さて、そろそろ始めようか?」





葬儀屋の瞳から美しい黄緑色の燐光が放たれる。





引退したとはいえ、葬儀屋は伝説の死神である。





その威圧感は計り知れないもので。





恵梨華は何をされるかわからない恐怖で身震いした。





「怖がる必要なんてないさ・・・今から行うコトは君にとっても喜ばしいコトなんだよ〜?」





恵梨華を落ち着かせるためか、葬儀屋はそっと恵梨華に口付けた。





「ッ・・・・・!」





その瞬間、恵梨華は葬儀屋の唇に噛み付いていた。





「気安く触らないで・・・このド変態!」





そして口の中に広がる葬儀屋の血をペッと吐き捨てた。





「・・・・・・」





葬儀屋は自分の唇を指でなぞり、指についた血をボーッと眺めていた。





そしてゆっくりとその綺麗な唇がニィッと吊り上った。





「やっぱり君には赤が似合うようだ・・・ヒッヒ・・・それじゃあ、アレを持ってこようかねェ〜?」





葬儀屋は上機嫌で部屋から出て行った。





そして暫くすると葬儀屋が部屋に戻ってくる。





その手に真っ赤なドレスを携えて。





「な・・・・何する気・・・・?」





「どうだい?このドレスなんて君に似合うと思うんだ」





葬儀屋は近くにあった棺の上にそのドレスを置くと、恵梨華の方へと近づいていく。





恵梨華の前まで来ると、葬儀屋はニッと笑う。





そして恵梨華の服のボタンをひとつずつ外しだした。





「ちょ・・・・ッ!///」





恵梨華は頬を赤らめながら慌てて身体をよじる。





しかし恵梨華の必死の抵抗も虚しく、どんどんボタンは外されていく。





「楽しいお着替えの時間だからね。・・ヒッヒ・・・小生好みの服が着れるんだ・・・嬉しいだろう?」





「嬉しい訳・・・!」





恵梨華の言葉を遮るように、葬儀屋が恵梨華の耳元で冷たく囁いた。





「・・・君は小生の人形だよ」
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