短編夢小説T

□戦場に咲く一輪の葬儀屋さん
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【設定】
「クリスマス中止のお知らせ」と同じ。

















「また・・・悪魔の仕業かよー」





最近、悪魔の魂の強奪が目立ってきている。





「そうネ・・・しかもこの悪魔、結構強いかもしれないワ・・」





「そろそろコイツ駆除しておかないと・・・厄介な事になりそうだなー」





「どうすんのヨ?ウィルに報告しとく〜?」





「ウィリアムか〜、ちょっと苦手なんだよなー」





困ったように頭をぽりぽりかく恵梨華。





そんな様子を見て、優しく微笑むグレル。





「なら、アタシ達だけでとっとと片付けちゃいましょ☆」





「そうだなー!死神の恐ろしさを思い知らせてやろう!」





二人は顔を合わせて頷くと、悪魔の気配がする方へ向かった。





「うわっ・・・また酷く散らかしてる・・・」





「もっと早く片付けておくべきだったわネ・・・」





あまりの悲惨な光景に思わず眉を寄せた。





「あ・・・いた・・・」





大量の死体の上に悠々と座っている悪魔を見つけた。





グレルが思わず悪魔に向かって叫んだ。





「ちょっとアンタ!こんなに喰い散らかして・・・いい加減にしなさいヨ!」





グレルの声に気づいた悪魔は、ゆっくりとこちらを振り向いた。





恵梨華とグレルは思わず息を飲んだ。





金色の髪に紅の瞳、悪魔というよりは好青年のような見た目だった。





「あんたみたいな上級悪魔が契約もしないで何でこんな事してんだよ!」





一瞬怯んだ恵梨華だったが、すぐに我に返り怒鳴った。





そんな恵梨華を見てニタリと笑う悪魔。





頬には真っ赤な返り血がついており、その姿はとても不気味だった。





そして悪魔が喋りだした。





「こうしていれば・・・死神達が来ると思ってね?」





「なっ・・・!私達を誘きだす為だけにこんな惨い事をしたっていうのかよ!?」





「アタシ達を誘きだしてどうしようっていうのヨ!」





恵梨華とグレルは唇を噛み締めた。





「クスッ・・・死神の魂ってどんな味がするんだろうって思ってね」





ぞわわわ・・っと背筋に寒気が走った。





デスサイズを握る手に力が入る。





「死神の怒りの怖さを・・・思い知らせてやる!」





真っ先に恵梨華が飛び掛った。





しかしいとも簡単にその攻撃を避ける悪魔。





恵梨華のデスサイズが地面に突き刺さった。





「くっ・・・!」





地面に刺さったデスサイズをそのまま切り上げる。





悪魔は慌てて後ろにステップするように下がった。





その瞬間、グレルはデスサイズを起動させ恵梨華の攻撃を避けバランスを崩している悪魔に切りかかった。





「っ・・・!」





グレルの攻撃が腕に当たった。





悪魔は腕を押さえ顔を歪めた。





「どう?アタシのデスサイズの味は☆」





グレルは口角を上げ笑った。





「フッ・・・僕に触れられた事は褒めてあげるよ。でも・・・」





そういうと悪魔はボウガンのようなものを取り出した。





そして二人に向けて乱射してきた。





デスサイズで矢を弾いていた二人だったが、あまりの矢の多さに壁の裏に隠れた。





動き回っていたため、息が乱れる。





「隠れても無駄だよー?」





悪魔がこっちに近づいてくるのが分かった。





ドク・・・ドク・・・





心臓がはちきれんばかりにドキドキしていた。





「みーつけた」





ニタァと笑う悪魔。





そして恵梨華目掛けて矢を放った。





「うっ・・・!」





恵梨華の左肩に矢が突き刺さった。





慌ててデスサイズで応戦するが、左肩が痛み、地面に膝をついた。





「恵梨華!!」





グレルが恵梨華の元に来た。





「アンタ・・・アタシの恵梨華になんてことするのヨ!」





怒りに任せてグレルはデスサイズを振り上げた。
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