短編夢小説T
□伝説のコスプレイヤー
1ページ/4ページ
【設定】
「奇跡の口付け」の続き。
「恵梨華、その服だと目立つねェ?」
「あ・・・そうだね」
現代から来た恵梨華が着ていた服は、英国ではあまりにも目立ちすぎる。
「小生が新しい服を買ってあげるよ」
「私・・・アンダーテイカーと一緒の服がいい!」
目をキラキラさせながら期待の眼差しを向ける恵梨華。
「こ、この服かい?・・・恵梨華は変わってるねェ」
恵梨華は現代にいる時、よくアンダーテイカーのコスプレをしていたのだ。
むしろコスプレはアンダーテイカー以外した事がなかった。
それくらい恵梨華はアンダーテイカーに一途だった。
「(はぅあ〜、まさか本物のアンダーテイカーの服が着れるなんて〜♪)」
恵梨華の心臓はドキドキが止まらなかった。
「それじゃあ、この服を買いに行こうねェ」
「貴方の着ていたのがいいんです!!!!」
思わず声を荒げる恵梨華。
アンダーテイカーは恵梨華のあまりの勢いに飛び退いていた。
「でもこれじゃあ大きすぎないかい?」
「大丈夫だよ!」
こうして恵梨華は念願のアンダーテイカーの服をゲットした。
「それじゃぁ着替えてくるね〜♪」
アンダーテイカーの服を抱きしめ鼻歌を歌いながら奥の部屋へと向かった。
歌っていたのは勿論アンダーテイカーのキャラソンだった。
しばらくすると奥から恵梨華が帰ってきた。
「ヒヒッ・・・やっと小生特性の柩に入ってくれる気になったのか〜い?」
ニヤリと笑う恵梨華。
「ぶひゃはははははっ!」
アンダーテイカーはお腹を抱えて笑っていた。
「イーッヒッヒッヒ・・・やっぱり恵梨華は面白いねェ〜」
「ヒヒッ、これでも現代では有名なコスプレイヤーだったんだからねっ!」
「コス・・・プレイヤー・・?」
アンダーテイカーはその知らない単語に首を傾げた。
「っ・・・!い、いや、何でもないよ!」
慌てて誤魔化す恵梨華。
「(本人の前で本人のコスプレしてたー・・・なんて言えないよね)」
「それにしても・・・いい眺めだねェ〜?」
恵梨華の姿をまじまじと見るアンダーテイカー。
サイズが合わない服の為、裾を引きずり、手は見えず、首周りは肩や鎖骨が露出していた。
慌てて体を隠す恵梨華。
「ヒッヒッヒ・・・隠す必要はないだろ〜?」
ニタニタと楽しそうに笑うアンダーテイカー。
恥ずかしくて顔を覆った。
ふわりとアンダーテイカーの匂いがした。
「(この服・・・アンダーテイカーの匂いがする・・・)」
恵梨華は興奮して夢中でその匂いを嗅いでいた。
はたから見ればただの変態である。
「ヒッヒ・・・そんな服の匂いを嗅いでないで、小生の匂いを直接嗅げばいいだろ〜?」
ふわりと抱きしめるアンダーテイカー。
突然アンダーテイカーに抱きしめられ、恵梨華は動けなくなっていた。
気まずくなり、話をそらす恵梨華。
「ぁ、そ、そう言えばクッキーの材料もうなかったよね!?」
わたわたと慌てる恵梨華。
そんな恵梨華を愛おしい目で見つめるアンダーテイカー。
「小生はこのまま恵梨華を・・・」
妖艶な瞳で不敵に笑うアンダーテイカー。
「わーっ!行こ!行こうね!」
アンダーテイカーの言葉を遮るようにアンダーテイカーの手を取り外へと連れ出した。
「(ヒッヒッヒ・・・全く、恵梨華は照れ屋さんだねェ)」
街で買い物をする二人。
「小麦粉でしょー、卵でしょー、それから〜・・・」
恵梨華は買い物に夢中だった。
しかしアンダーテイカーはとても不機嫌だった。
そんなアンダーテイカーの様子に気がついた恵梨華。
「ア、アンダーテイカー?どうしたの?」