短編夢小説U
□失ってから気づくコト
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目の前に、生きている君がいる。
温かい君がいる。
それだけでよかった。
「アンダーテイカー・・・!苦しいってば・・・!」
小生の腕の中で暴れる恵梨華。
この腕を離せばまた君を失ってしまう気がして・・・。
「怖い夢でも見たの・・?すごくうなされてたけど・・・」
「夢・・・?」
―ああ、あれは夢だったのか。
状況が理解できた小生は抱きしめる腕の力を少しだけ抜いた。
「聞いておくれよ恵梨華・・・」
小生は夢の出来事を恵梨華に全て話した。
まるでそれが夢であったのを確かめるように。
小生の話を全て聞いた恵梨華は、小生の大好きな笑顔で言った。
「私がセバスチャンを?ふふ・・・私が愛しているのは・・・」
唇が重なる。
愛しい恵梨華の柔らかな唇。
そして君が生きている証であるぬくもりを感じる。
「恵梨華・・・」
唇が離れると、今度は小生から恵梨華に口付けをした。
今後もし君が小生のもとを離れようとしても、小生は絶対に君を殺しはしない。
同じ過ちは、二度繰り返してはいけない。
小生はこれからも守り続けるコトにしよう。
大好きな、君の笑顔を。
-END-