短編夢小説U
□死へのカウントダウン?それとも・・・
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「さあ、今回が最後のお客さんだ」
小生は少しわくわくしながらお客さんの背中を見た。
予想通り、背中には”T”の文字が刻まれていた。
これが君からの最後のメッセージ。
「ぐふっ・・・やっと完成したね」
お客さんを見ていた小生は店の扉の方に視線を移した。
「―ねぇ、恵梨華?」
小生が名前を呼ぶと、静かにその扉が開いていった。
「あら、バレてたのね」
妖艶な笑みを浮かべる恵梨華。
その深紅の瞳が小生を捕らえて離さない。
「ヒッヒッヒ・・素敵な贈り物をありがとうねぇ」
「ふふ・・・ならお礼を貰いたいわ?」
小生は無造作に前髪をかきあげると一歩一歩恵梨華へと近づいていった。
そして優しく恵梨華の頬に手を添えると、そっと唇を重ねた。
「小生も愛しているよ、恵梨華・・・」
小生は君の耳元で囁くようにメッセージの返事を贈った。
”To Undertaker.I love you with all my heart.”
―アンダーテイカーへ、私はあなたを心から愛しています。
-END-