短編夢小説V
□夢が現実になる時
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「ただいま〜」
家に帰ってきた恵梨華は、不思議そうに首を傾げた。
「あれ・・・テイカー?」
あれほど寂しがっていた葬儀屋が、恵梨華が帰ってきたと言うのに玄関まで迎えに来ていない。
不思議に思いながらも恵梨華は部屋へと向かった。
「ヒッヒッヒ・・・おかえり、恵梨華」
いつもに増して不気味な笑みを浮かべる葬儀屋。
その手には恵梨華の携帯電話が握られていた。
「ッ・・・・・!テ、テイカー・・・それ・・・!」
恵梨華の顔からサーッと血の気が引いていった。
「ヒッヒッヒ・・・」
ゆっくりと立ち上がる葬儀屋。
そして一歩一歩恵梨華に近づいていく。
「ねぇ、恵梨華・・・?コレ・・・小生だよねぇ〜・・?ヒッヒッ」
開かれた携帯の画面を指差す葬儀屋。
恵梨華はゴクリと息を呑みながら、そっと後ずさりしていった。
「あ・・・・・え、えっと・・・・」
追い詰められる恵梨華。
とうとう壁際まで追い詰められ、逃げ場は無くなった。
―バンッ・・!
恵梨華の真横に勢いよく手をつく葬儀屋。
そして前髪をかき上げ、その綺麗な素顔を恵梨華に晒す。
「ッ・・・・・!///」
いつもとは違い、少し強引な葬儀屋に、恵梨華の胸はキュンとなった。
身体がどんどん熱くなり、頬は真っ赤になっていた。
「ヒヒッ・・・小生にこうして欲しかったんだろう?」
反対の手で恵梨華の顎を掴むと、グイッと強引に口付ける。
「んんッ・・・!」
突然の出来事に動揺する恵梨華。
恵梨華の抵抗も虚しく、葬儀屋は恵梨華の口内を激しく犯していく。
絡み合う舌と舌。
歯茎をなぞられると、ゾクッとした快感が襲ってくる。
「・・・ふ・・・ぁ・・・・・///」
徐々に抵抗する力が抜けていく。
恥ずかしそうに頬を染めながら、葬儀屋にされるがままの恵梨華。
「―さて、君の望みを叶えてあげるよ」
ニィッと不気味に歪む綺麗な口。
恵梨華はこれから起こる事への恐怖と期待で心臓が高鳴っていた。
「の、望みって・・・一体・・・」
「ヒッヒ・・・ここに書かれているコト・・・今からぜ〜んぶしてあげるからね?」
葬儀屋は恵梨華の手を引くと、そのままベッドへ押し倒した。
「さあ・・・可愛い声でないておくれよ?ヒヒッ」
-END-