短編夢小説T

□嫉妬の炎を燃やす葬儀屋さん
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「アンダーテイカー?どうしたの?」




先程来た手紙を見つめ、ため息をついているアンダーテイカーに声をかけた。




「ん〜?ああ・・・伯爵がね、小生達をお茶会に誘ってきたのさァ」




ヒラリと恵梨華にその手紙を見せた。




「ほんとぉ!?早く行こうよ!アンダーテイカー!」




くるくると回りながら楽しそうに準備をする恵梨華。




「はぁ〜・・・」




恵梨華とは対照的にあまり行きたくなさそうなアンダーテイカー。




しかし、あまりにも恵梨華が無邪気に喜んでいる姿を見ると、その心情は複雑だった。




「仕方ないねェ・・」




意を決したアンダーテイカーも、出かける準備をした。




パカラッパカラッパカラッ・・・




遠くから馬車の音がする。




そして店の前で止まると、扉が開かれセバスチャンが迎えにきた。




「お迎えにあがりました、お嬢様、葬儀屋様」




胸に手を当て一礼すると、恵梨華とアンダーテイカーを馬車へ案内した。




「はぁ・・・」




明らかに落ち込んでいるアンダーテイカーを見て、セバスチャンはニヤリと悪魔笑いをした。




そしてシエルのお屋敷に着くとセバスチャンは馬車の扉を開き、恵梨華の手を取った。




「さぁお嬢様・・・こちらへどうぞ」




「あっ・・・ありがとうセバスチャンさん」




「クスッ・・・お忘れですか?お嬢様。私はあくまで執事、執事にさん付けは要りませんよ?」




ニコリと微笑むと恵梨華は少し照れたように顔を伏せた。




「そ、そうだったね、セバスチャン」




その言葉を聞くとセバスチャンは満足そうに微笑んだ。




すると後ろから物凄い殺気がセバスチャンに襲い掛かった。




「フッ・・・葬儀屋様、殺気が駄々漏れですよ?」




「ああ、すまないねェ。君があまりにも恵梨華と仲良くしてるもんだからねェ・・?」




バチバチと二人の間に火花が散った。




恵梨華はそんな事に気づく様子もなく、ドアの前で待っているシエルの元へと向かった。




「よく来てくれたな、恵梨華」




「シエル!今日はありがとうね!」




無邪気な笑顔を浮かべる恵梨華。




シエルは少し頬を赤らめながら照れ隠しをするように視線をそらした。




「さぁ、こっちだ」




シエルは恵梨華をエスコートするように庭へと案内した。




「おいお前達、いつまでそこにいるつもりだ?」




シエルは、未だに馬車の前で危険な雰囲気に包まれている二人に声をかけた。




「申し訳ございません」




シエルの声で我に返ったセバスチャンは急いでお茶会の準備へ向かった。




呆気に取られるアンダーテイカー。




しばらくして平静を取り戻したアンダーテイカーが恵梨華達の後を追った。




「さぁお嬢様、こちらの席へどうぞ」




スッと椅子を引くセバスチャン。




恵梨華は微笑み、「ありがとう」と言って席についた。




とても優雅な時間が流れた。




キラキラと輝く高級ティーカップ。




甘い香りで美味しそうなデザート。




庭には青い薔薇が咲き誇っていた。




「綺麗だね・・・」




庭の花を見ながら恵梨華が言った。




「気に入ってくれたか?恵梨華、お前の為に用意させた薔薇なんだ」




シエルは得意げに言うと、肘をついて得意げな表情を浮かべた。




「そうなの?!シエル、ありがとう♪」




二人が楽しそうに話しているのを黙ってみているアンダーテイカー。




そんなアンダーテイカーにセバスチャンはそっと耳打ちをした。




「葬儀屋様、そのような態度ではお嬢様に嫌われてしまいますよ・・?」




ニヤニヤとその状況を楽しむかのように笑うセバスチャン。




「う、うるさいよ!執事君!」




アンダーテイカーは焦ったように言い放った。




セバスチャンは悪びれる様子もなく、恵梨華の近くにきた。




そして小さな小箱を恵梨華に差し出した。
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