短編夢小説T

□奇跡の口付け
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「あー疲れたー」




学校の宿題がやっと終わり、ベットに寝転ぶ恵梨華。




そして本棚から一冊の本と取り出した。




本といっても漫画の本なのだが。




本の表紙を見つめ愛しそうに撫でた。




「いつ見てもアンダーテイカーはイケメンだな〜」




そんな事を呟きながら、深いため息をついた。




「はぁ・・・どっかにこんなイケメンいないかなぁ」




恵梨華はアンダーテイカーの写る表紙にそっと口付けをした。




すると部屋がパァァァッと光に包まれた。




「えっ!?えっ・・・!?」




困惑する恵梨華。




そしてそのまま気を失った。


















目が覚めると自分の部屋にいたはずの恵梨華は外で倒れていた。




「あ・・・れ・・・?」




キョロキョロと周りを見渡す恵梨華。




そこは明らかに日本ではなかった。




「私・・・どうしちゃったんだろう・・・」




しばらくその場に座り込んで考えていると、遠くから馬車の音が聞こえてきた。




その馬車は恵梨華の目の前で止まった。




そして馬車を走らせていた男がこちらに向かってくる。




恵梨華はその姿を見て唖然とした。




「え・・・嘘・・・」




その男は、どこからどうみても黒執事の登場人物であるセバスチャンだった。




「このようなところで座り込んで・・・どうかなされましたか?お嬢様」




セバスチャンは紳士的な態度で恵梨華に声をかけてきた。




「セ、セバスチャン・・・だよね?」




セバスチャンは恵梨華に名前を言われ、驚いた表情を浮かべていた。




「おや?どこかでお会いしましたか?」




そんなやり取りをしていると、馬車の扉が開かれた。




「セバスチャン!一体何をしているんだ!」




主人の怒声を聞き、慌ててシエルの傍に行くセバスチャン。




怒った様子のシエルは、座っている恵梨華の存在に気がついた。




「すまない。見苦しいとこを見せてしまったな」




「あ・・・シエルだ・・・」




「っ・・・!?」




見知らぬ女に名前を呼ばれ、シエルも驚いた。




「セバスチャン、僕の知り合いか?」




シエルは慌ててセバスチャンに聞くが、セバスチャンは首を傾げるだけだった。




「(変わった服を着ているな・・・僕の知り合いにこんな人はいないはず・・・)」




二人がしばらく黙り込んでいると、恵梨華が重い口を開いた。




「あのね・・・信じられないかもしれないけど、私、ここの世界の人間じゃないの」




「・・・それはどういう事だ?」




「私のいた世界では・・・その・・・シエルもセバスチャンも漫画の世界の登場人物なの」




「・・・」




シエルは恵梨華を疑いの眼差しで見ていた。




もちろんセバスチャンも同じだった。




そんな二人の心情を察したのか、恵梨華は続けて喋り続ける。




「シエル・ファントムハイヴ。1875年12月14日生まれ。玩具・製菓メーカーファントム社の社長。

 でもそれは表向きの肩書きで、裏社会では悪の貴族、女王の番犬と言われている。

 両親を惨殺され、狂気じみた団体へ売り飛ばされ、悪魔を呼び出す生贄となった。

 その時にセバスチャン・ミカエリスと契約し、現在に至る。

 ・・・どう?信じてくれた?」




「あ、あぁ・・・」




「でも私・・・これからどうしたらいいんだろう・・・」




行くところが無い恵梨華はこれからの事を考え落ち込んでいた。




そんな恵梨華に優しく声をかけたのがセバスチャンだった。




「お嬢様、お嬢様はどうやってこの世界に来たのですか?」




「え・・・う、うん・・・そ、それは・・・///」




漫画の表紙のアンダーテイカーにキスをしたら来ていた、なんて恥ずかしくて言えない恵梨華。




頬を赤らめ恥ずかしそうにしている恵梨華に、二人は心奪われていた。




「と、とにかく、行くところがないのなら、僕の屋敷に住んだらどうだ?」




シエルが視線をそらしながら言った。




その言葉を聞き、恵梨華は少し戸惑っていた。
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