短編夢小説T

□伝説のコスプレイヤー
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ハッと我に返る恵梨華。





失礼のないよう、そっと挨拶をした。





「あ、失礼しました!私はアンダーテイカーと一緒に葬儀屋をやる事になりました恵梨華です!」





丁寧に深々と頭を下げた。





するとアバーラインは少し頬を赤らめながら、





「じ、自分はアバーライン警部補であります!」





と言った。





そんなアバーラインの様子を見て、アンダーテイカーは少しだけ眉を寄せた。





「そんな事よりアバーラインさん」





「ヒッヒッヒ・・・そうだねェ、恵梨華」





恵梨華とアンダーテイカーは顔を合わせるとニヤリと口角を上げて言った。





「「小生に極上の笑いをおくれ?」」





二人同時に言った。





そしてアバーラインが”普通に”話し出した。





「にゃはははははっ!ウヒヒヒ!」

「うひゃっひゃっひゃひゃひゃ!イーッヒッヒ!」





恵梨華とアンダーテイカーはお腹を押さえ、ひっくり返って笑っていた。





「やばっ・・・ヒヒッ・・・やばいよ・・アバーラインさん・・・ウヒヒッ」





二人が笑っていると、シエル達が店内に入ってきた。





「恵梨華!」





シエルは恵梨華の姿を見ると、驚いていた。





「あ・・・ヒヒヒッ・・・シエル・・・」





まだ笑いが治まらない恵梨華。





「全く恵梨華まで・・・一体何をどうやったらこうなるんだ」





シエルは呆れた様子だった。





「自分はただ普通に話をしただけだ。なのにこの二人がいきなり・・・」





「アバーライン・・・恐ろしいヤツ」





シエルがアバーラインの方をチラリと見ながら言った。





セバスチャンはシエルの後ろで敵意剥き出しでアバーラインを睨んでいた。





「中々お出来になるようですね、警部補殿」





「べ、別に自分は・・・!」





二人が静かに戦いの炎を燃やしていると、シエルがそれを遮るように机を叩いた。





「指輪の話を聞かせろ!アンダーテイカー」





こうしてそこにいた皆が店の外へと向かった。





「ほら、あそこ」





「あああああああ!」





「それじゃあ・・・小生達はこれで失礼するよ」





指輪がある場所を見てシエル達が驚いてる中、恵梨華とアンダーテイカーはその場を後にした。





「さあ、恵梨華?どこに行こうかねェ?」





「色んなお店があるね!ちょっと見てまわろ?」





手を繋ぎながら歩く二人。





それはまるで恋人同士のようだった。





「(こうしてアンダーテイカーと手を繋いでデート出来るなんて・・・幸せだなぁ♪)」





恵梨華から零れる満面の笑み。





「っ・・・///」





アンダーテイカーはそんな恵梨華を見て思わず顔を赤らめた。





暫く歩いていると、恵梨華はアクセサリー店を見つけた。





綺麗な宝石たちを見て、恵梨華はうっとりとした表情を浮かべていた。





「ヒッヒッヒ・・・欲しいものがあったら何でも言ってごらん?」





恵梨華はキョロキョロと何かを探している様子だった。





そして一つの指輪を見つけると、じっとその宝石を見ていた。





「綺麗・・・アンダーテイカーの瞳の色とおんなじだぁ・・・」





まるでその宝石に魅入られたかのように見つめ続けた。





「じゃあ、それを買ってあげようか?」





「いいの!?」





恵梨華は子供のように無邪気に喜んだ。





そして嬉しそうに左手人差し指にはめて眺めていた。





「アンダーテイカー!ありがとうね!」





指輪を見て暖かく微笑む恵梨華。





そんな恵梨華の手を引き、アンダーテイカーは店へと急いで戻った。





少し不機嫌なアンダーテイカーに戸惑っていると、アンダーテイカーが重い口を開いた。





「どうせなら・・・そんな指輪を見つめるより小生を見つめておくれ・・・?」





前髪を乱暴に持ち上げ、恵梨華を自分の膝の上に座らせた。





「っ・・・!///」





膝の上に乗っているため、恵梨華とアンダーテイカーの顔はとても近かった。





もうすぐで唇と唇が触れてしまうぐらいの距離。





お互いの熱い吐息がかかる。





恵梨華は耳まで真っ赤にして俯いたが、アンダーテイカーがそれを許さなかった。
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