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□まちがいさがし
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まちがいだらけの










すべてが 突然 で

白銀にはわからなかった。わかるはずもなかった。
だって彩凪自信もわかっていなかったのだから。

なんだかものすごく珍しいものを見ている気がする。
白銀が目の前で固まっていた。いつも静かな瞳が、いまは驚いたように開かれて、揺れている。自分に伸ばされていた手もぴくりとも動かない。
どうしたの?
口に出そうとして、なんだか詰まってしまう(あ れ?)
違和感を感じて瞬きを一度。

はたり。

なにかが、あふれて こぼれた。













ほんのすこし失敗した。

いつものように罪人(とあの人がいっていたから、そうなのだろう。とくに興味もなかったけど )を『救った』。

ためらいも不満も抱かない。

救世主と呼ばれるのもあの人がきれいな声で『救って』おあげなさいと囁くのも自分がつくった血溜まりを踏みつけて(ふみにじって)(まるで なにもなかったみたいに)歩いていくのも。

慣れきった動作でそれを、救った。(で 合ってるよ ね?)(だってあのひとが)
そのとき頬に、何かが降りかかって。
ゆびさきで拭うと思った通りのただれた赤。(あーあ)(いつもならこんなヘマはしないのに)

それは嘘のように、あたたかかった。
(きもちわるい)












そういや 自分の瞳も こんな色だったっけ













べつによかった。
人に救世主と呼ばれ自分の名前を誰もが呼ばないことも、称える声の裏で自分がけして少なくない呪いの言葉を被るのも。

とても簡単だ。
そうするだけであの人やアイツが生きられるのだから。











生きられる世界が、つづいてゆくのだから。


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