鬼灯の冷徹

□上下戦争
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白澤side


ズシャァァァッ!

という、轟音と共に開けられた(?)うさぎ漢方・極楽満月の扉。まぁ、僕の店なんだけどさ!

「ごきげんいかが!!」
「ごきげん悪いよ!?」

だからなんだ?

とでも言わんばかりの冷徹な目で睨まれた。なんて男だ、こいつは…

「とっとと注文した薬をだせ、白豚。偶蹄類。」
「豚って言うな!分類するな!」
「あなたのことを呼んであげたことを喜びなさい!」
「はぁ!?僕の名前知ってて言ってんの!?」
「当たり前でしょう。極楽蜻蛉・変態女タラシ淫獣白澤様でしょう?」

なんで純粋な目で言えるの?白澤様の部分しか合ってないし…
ん…?"白澤様"…?

「ねぇ、鬼灯さん。もう一度僕の名前言ってくんない?」
「…………………は?」
「だから、今さっき言った僕の名前!」
「あぁ、ついにMに目覚めまs…「いいから言って!!」分かりましたよ…」

僕に気圧されたのかな?ま、いいや。言ってくれるみたいだし!

「極楽蜻蛉・変態女タラシ淫獣"白澤様"。」

やっぱりね!
なんか嬉しいなぁ…

ん?嬉しい!?いやいやいや…こいつ嫌いだし、男だし!
つか小首を傾げるな!可愛いんだよ!なんか!
ぁ…分かった…あぁー………
病に気付き、その場に崩れた。

「何してんだ、この白豚」

悪態吐きながら、長くて細い指でおでこをツンツンしている。
こいつ、変なとこで優しいよな…うん。
大嫌いなはずなのに、今まで蓋をしてきたであろうこの感情に気付いてしまったら、隠し通せない。そうか、好きなんだ…気付いてしまえば、なんとも鬼灯が可愛く見えるわけで、未だにおでこツンツンしてる鬼灯が可愛く見えるわけで…

「鬼灯っ!!」

引かれるの承知で抱き締めてみた。



何も起こらない…?
不思議に思って、鬼灯の方をちらりと盗み見ると、ぴんと尖った耳の先まで赤く染まっていた。

「せめて…告白くらいしてからになさいよ…白澤さん…」

あぁ…可愛い!!可愛い!!もう、我慢しなくていいよね!

「我愛イ尓!鬼灯っ!!」
「それ、告白と見ていいんでしょうか?」
「もちろん!」
「私も…好きですよ…白澤さん…」


白澤side end
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