鬼灯の冷徹
□にゃんパニっ!!
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ここは鬼神で閻魔大王第一補佐官鬼灯の部屋である。
にゃんパニっ!!
「ん…ふわぁ…」
今日、珍しく鬼灯は寝起きがよかった。
寝癖がついてしまった髪を、いつも通り手櫛で整えようとした。しかし、ある物体によって阻まれてしまった。
「にゃんですか…これは…」
ん?にゃん?
鬼灯は自分の言葉に疑問を持った。
そして、一つの可能性が見えてきた。
“もしかして…な行が言えないのではないか”
ということだった。
おそるおそるその可能性を確かめるべく、口を開いた。無いものであってほしいと思いながら…
「にゃ…に…にゅ…ね…にょ…」
かろうじて“に”と“ね”が言えるくらいだった。
鬼灯はうーん、と頭を悩ませてしまった。
コンコン!
「鬼灯様ーっ!」
扉の外から聞こえた元気な声の正体は茄子である。
ガチャッ
「どうなさいましたか?にゃすびさん」
「ほぇ?」
「え?あっ…」
「猫耳っ?」
「み、見ないでくださいよぉ!」
「可愛いっ…尻尾も生えてるー♪」
「ふにゃ…」
神経が通っているらしく、耳も尻尾も感度がしっかりあるらしい。
尻尾は朱色の長襦袢を押し上げていて、なんとも言えない色気が晒されている。
「きっとあにょ白豚ですっ…!行ってきます!!」
そう言って現世に行くときに愛用しているキャスケットを押さえつけて、頭からピンと生えた猫耳を隠し、尻尾はむず痒いのを我慢して、着物の中へと仕舞って天国へと出掛けていった。
ガッシャァンッ!
「ちょっ!扉壊さないでよぉっ!」
「さっさとこれを治す薬を寄越しなさい!」
バッ、とキャスケットを脱いで猫耳を見せた。
「え?」
「なに唖然としてるんですか!早く薬を寄越しなさい!」
「いや、知らないよ!?ってか、エロっ…」
おもむろに鬼灯の耳に手を伸ばした。
「ひにゃっ…」
「ふふっ…可愛い…誘ってるの?」
「誘ってにゃんかいませんっ…///」
「この尻尾は?」
触る、というよりも舐めた。
「はっ…んっ…んにゃ…///」
「なぁ…このままシよっか…?」