鬼灯の冷徹
□にゃんと恩返し!
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※現パロらしくない現パロです
※あまり活かしてはないのですが、にょた灯様です
にゃんと恩返し!
「あー…やっと終わったー…」
僕、白澤は大学二年生。やっとこさ今日の講義は無事に全部成し遂げ、これから帰路に向かうところだ。
「たまにはあの裏道から行こうかな」
予定変更。
車やらバイクやらがあまり通らない裏道を行くことにした。
◇◆◇◆
「…っ…サイアク…」
裏道で帰っていたら、途中で雨に当たってしまった。
近くに運良く神社があったので、しばらく雨宿りをさせてもらうことにした。
秋も深まって来ているからか、雨は冷たくて風は冷えていて…
みぃ…みぃー…
さほど遠くはないところからか細い猫の鳴き声が聞こえてきた。
「捨て猫…って、こんな雨の中にいたら、死んじゃうじゃん…!」
僕は雨に打たれながら、近くにいるであろう捨て猫を探した。
みぃ…
「見っけ!」
何か懐かしい本の如く言ってしまった。
小さな猫を拾い上げると、体は冷えていてぷるぷると震えていた。
優しく抱き締めてあげると、徐々に震えが無くなってきた。
それから数分した頃、雨も上がったので帰ることにした。
しかし、猫はどうしようか。
抱き締めていたからか、温かくなって僕の腕の中ですやすやと夢の中でいた。
仕方ない、と思い連れて帰ることにした。
道中のコンビニで比較的安価な猫缶と呼ばれるものを買って帰った。
「風呂入るか!」
みっ…!
やっと起きた仔猫は賛同するように鳴いた。
体を洗うときに、猫は水嫌いだから…と思っていたが、この仔は大人しく身を委ねてきた。
綺麗に汚れを落とし、ドライヤーの弱で乾かしてやると、ふわふわで艶やかな黒猫だった。
「可愛いなぁ…」
純粋にそう思った。
水は嫌がらないし、会話紛いなこともできる。
餌をやれば残さず食べたし、トイレもきちんと場所を守っていた。
みぃ?
「ん?ごめん、ごめん。どうしたの?」
この仔のことを考えていたら、この仔のことを無視してしまっていた。
みぃー!
尻尾を左右にぱたぱたと振っていた。
「遊びたいの?」
みっ!
遊ぶと言っても、猫用のおもちゃやボールはない。
がさがさと探していると、使い物にならないヨーヨーが出てきた。
ころんと転がすと、素早く追いかけて、捕まえていた。
楽しそうに壊れたヨーヨーにじゃれていたから、思わず顔が綻んでしまう。
時間が経つのが早く感じ、あっという間に夜になってしまった。
二階の寝室に行こうとすると、後ろから眠そうによたよたと後をついてきた。
抱き上げると、早くも寝てしまった。
「おやすみ」
そう言って、一人と一匹で眠った。