ながいはなし

□腐女子は時として怖し 第三章
1ページ/1ページ

「鬼灯様っ!」

二匹の蛇を連れたお香が鬼灯のもとへとやってきた。
彼女は成績も優秀で、体育もそこそこなお色気番長である。

「おや、お香さ「お香ちゃぁーん♪」……」

向こうから意気揚々と駆けてきた白澤。
そして、不満としか言えない顔の鬼灯。
うれしそうに優しく微笑んでいるお香。

「なぜお前が生徒会室前に来るんです…!」
「お香ちゃんがいるからだい!」
「………」
「お香さん?」
「ふふ…」
「お香ちゃん?」
「ふふふふふふ…」
「…(ぞっ…」
「鬼灯っ!?お香ちゃんっ!?」
「詳しく聞かせてくださいな…?鬼灯様♪」
「いやですぅぅぅぅぅっ…!」

すごい勢いで近くの階段をかけ上がっていった。お香もそれに負けじと、全速力で鬼灯を追いかけ始めた。

「ちょっと!二人ともっ!」


「鬼灯様、お二人の関係は?」
「ひぃっ…!何にもありませんからぁぁぁぁぁっ!」

バァーンッ!

二人の待つ?屋上へとやってきた汗だくの白澤であった。

「はぁー…はぁー…」
「ほらぁ…?」
「まぁ、今は白鬼か鬼白かは置いといて…あなた、なぜそんなに汗だくなのですか?」
「え?」

涼しい顔をしていることに気付いた白澤はお香にも鬼灯にも驚愕をしていた。

「そりゃ…あんだけかけ上がれば…」
「あら?そんなに多かったかしら?」
「いえ、設計的にそんなに万も億もありませんよ?」
「可笑しいよ!」
「この学園は大して体育に力は入れてませんが、強いらしいですよ?」
「鬼灯は分かるが…」
「やっぱり…やっぱり白鬼なのね!」
「違います!お香さんっ、待ちなさいっ!!」
「こわっ…」


「で、本当はどうなのかしらぁ?会長様♪」
「蓮華さんまでやめてくださいよ…」
「あら?図星っ?」
「犬猿の仲、です!」
「またまた!照れちゃってぇ…やっぱり生娘だから?」
「なっ…!生娘じゃありませんし、娘じゃないですっ!」

新しい歴史がこの学園に刻まれた。


“書記は隠れ腐女子。隠れ腐女子だったお香はもろ腐女子かもしれない”

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ