鬼灯の冷徹

□上下戦争
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鬼灯side


ズシャァァァッ!

いつもの如く、愛用の金棒でこの腐れ神獣のいる店にやってきてやりました。

「ごきげんいかが!!」
「ごきげん悪いよ!?」

はて?なぜ我ながら完璧な挨拶をしてあげたのに、機嫌を損ねるのでしょうか…全くもって分かりません。まぁ、この腐れ神獣の機嫌なんか理解したくもありませんが…

「とっとと注文した薬をだせ、白豚。偶蹄類。」
「豚って言うな!分類するな!」

煩いですねぇ…道理にかなったことしか言ってませんがね。

「あなたのことを呼んであげたことを喜びなさい!」
「それ、僕の名前知ってて言ってんの!?」

どうやら本当に脳味噌綿あめになってしまったようですね…はぁ…

「当たり前でしょう。極楽蜻蛉・変態女タラシ淫獣白澤様でしょう?」

と、これの名前を言うと惚けた顔をしていた。
自分の名前を忘れてしまったのか、と錯覚するほどに。どうしたもんでしょうk…

「ねぇ、鬼灯さん。もう一度僕の名前言ってくんない?」
「…………………は?」
「だから、今さっき言った僕の名前!」

そういう魂胆ですか。

「あぁ、ついにMに目覚めまs…「いいから言って!!」分かりましたよ…」

こんな奴相手に妥協してしまうとは…情けませんねぇ…

「極楽蜻蛉・変態女タラシ淫獣"白澤様"。」

ご所望通り言ってやったら、しばらくぽかーんとして、その場に崩れ落ちてしまった。
いくら鬼神と謂えども、少しは慈悲もあるわけでして。

「何してんだ、この白豚。」

おでこを突っついてやりました。
何かを考えているようで、中々反応しません。
しばらく突っついていたその時…!

「鬼灯っ!!」

抱き締めてきやがりました。
反則ですよ…そんな、いきなり…
仮にも…焦がれている…彼に…

「せめて…告白くらいしてからになさいよ…白澤さん…」

そうだ…せめて聞きたい、彼の気持ちを、彼の口から。

「我愛イ尓!鬼灯っ!!」
「それ、告白と見ていいんでしょうか?」
「もちろん!」
「私も…好きですよ…白澤さん…」

こんなにも結ばれるのが嬉しいとは考えていなかった…これから先も狂わされそうです。

鬼灯side end
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