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□W7の風景
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「おきろーっ、めいり。」
「にゃ…、んーーーーっにゃ!(←伸びる)」
おはようございます。
パウリーの組み立ててくれたお家は良い寝心地でございました。
って、ん?
どうしたの、パウリー。
なんか、こっち見て固まってますが。
「パウリーさん?」
「…………。」
「もしもし…?」
「(ハッ!)なな何でもねェよ!?
ほら、俺の気に入ってる場所連れてってやるから準備しろ!」
「猫は準備要りませんって;」
…なんだろ?
パウリーの慌てようは。
まぁ、いいか。
「お、そうだ。忘れっとこだった。」
「なんですか?」
「これ、着けてもらおうかと。」
ちりんっ
パウリーがポケットから出したのは、ピンク色の首輪。
その真ん中には、大きな金の鈴が着いていた。
「わあ、かわいいっ!」
「めいりは黒っぽいからな。
似合うかと思うんだが。」
「着けてください!」
私が跳ねながらパウリーにいうと、ちょっと落ち着けって苦笑いされた。
ちりん…
私の首にわっかがつけられる。
…てか、パウリー近い。
抱き締められといて、何を今更って感じだけども。
「予想通り、似合ってるな!」
「わぁい!」
動く度に音を出すこの鈴は、パウリーの所有物である証。
本当に、猫って感じがした。
今現在の時刻は、午前4時。
窓の外はまだ真っ暗。
夜行性だから?私は…起きれます。
人間だったら寝過ごす自信ある。
「んじゃ、いくぞ。」
「はーい。」
がちゃ…
うわっ…暗いな。
でも、猫だから人よりは見えるよ。
パウリーは見えてるのかな。
「俺か?…めいりは、俺が何年此処で暮らしてると思ってんだ…。」
呆られてしまった…。
しょぼーん(´・ω・`)
慣れた歩みで目的地へ行くパウリー。
私は、そのあとをてくてくついていった。
歩き初めて約10分。
途中、水路の排水口を通って…
パウリーは私を何処に連れてくつもりだ
そう思いながら、暗い通路を歩いていった。
「めいり、疲れてないか?」
時々、パウリーが声をかけてくれるので嬉しかった。
そして、目的地に到着した。
「めいり、見てな。
あと少しで日の出だから。」
「う、うん。」
なんだか、水が流れている音はするんだけど…。
猫目でも、景色は真っ暗にしか見えないなぁ。
と、その時、地平線がうっすらと見え始めた。
「…きた。」
パウリーを見ると、まるで子供のようにキラキラ目を輝かせている。
パウリーも、楽しみだったのかな。
私は再び視線を景色に戻した。