ハンター夢出会い〜試験前編

□異世界旅行二日目
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「ふあ〜さっぱりした〜」

食堂のテーブルにつっぷしてると
狭い視界に障害物が一つ

「はい。ジャポンという国ではお風呂あがりにこれを飲むそうですよ。」

優しく微笑むクリスが立っていて
置かれたのは片手で持てるサイズの瓶

「コーヒー牛乳?」

「正解ですv」

頭をナデナデされた
年下の子にそんなんされる日が来るとは思わなかったわ

「ありがと」

「いいえ、長期滞在してくださる方にこれくらい当然ですよ!」

あ、そういえば一ヶ月分って言ってお金渡したんだった
クリスも商売人ね
割引もしてくれたわ

そのかわり街に来た時は絶対ここに泊まるよう念を押されたけど

あ、そういえばネンってなんだったのかしら

「ねえ、クリス」

「?」

腰に手を当ててグビグビとコーヒー牛乳を飲んでるところ悪いけど聞いてみる

「ネンってなにか「ぶふううう!!!」・・・ごめん」

顔面にコーヒー牛乳をぶっかけられました

「げほっげほっ!ご、ごめんなさっゲホ!」

「いえ、大丈夫よ。貴女こそ大丈夫?」

タオルでコーヒーをふき取りながら
クリスの背中をさする

「念って誰から聞いたんですか?」

「ヒソカさんに」

「あのバカ!」

「えっと、聞いちゃいけないことだった?」

あれかしら大変な下ネタとかなのかしら・・・

だとしたら恥ずかしいわね

まあ穴があったら入りたいっていうほどでもないからいいけど

「う〜ん・・・教えてあげたいですけど・・・」

そういったまま視線を私の全身に向ける

「先にお風呂にもう一度入ってきてください。ごめんなさい〜」

顔を赤くして涙目になって何度も頭をさげられました


=======


そして二度目のお風呂のあと

せっかくだからコーヒー牛乳を飲んでみた

「これ美味しいわねぇ」

「御口にあってよかったです。」

料理を褒めた時と同じようにほほ笑むクリス

さっき座っていた席も
クリスの服も綺麗になってるから

お掃除&お着替えしたのね
私が変なこと聞いたせいよね

新しい言葉を聞いてもすぐに誰かに聞くっていうのはやめた方がいいかもね

私の世界とこちらの世界が同じ言葉を使ってても
意味は違ったりするのかもしれないし

「あの、サリーさん。」

「なぁに?」

「一つ質問なんですけど、サリーさんってハンターですか?」

ハンターってあのハンターかしら?
お宝ハンターとか猟師とかそんな意味?

「えっと、狩人ではないわよ。」

「そうですか・・・」

少し困ったような表情をして

「では、試験は受けたことがありますか?」

え、ハンターになるのに試験が必要なの?

度胸と根性がある人たちが勝手に名乗るものだと思ってたんだけど

つまりこの世界では試験を受けて資格を得ないといけないのかしら?

答えない私を不思議そうに見て

「ごめんなさい・・・なんでもないです。」

完全に困った顔をしてクリスはうつむいてしまう

「ネンっていうのはハンターと深いかかわりがあるのね?」

思いっきりしまった!という表情をされても

あんなにハンターハンター聞かれたら

そう考えるしかないじゃない

「ハンターにならないと教えてもらえないのなら

ハンターになってみようかしら。」

「え、え!?」

「まあこっちに来てから何するかも迷ってたし

クリスのオカゲで目標ができたわ。」

もともと盗賊狩りしてたから
あるいみハンターだし

「いえ、でも、ハンターの試験はとっても大変なんです。死んじゃうかもしれないんですよ?」

「あら、冒険してる人間が命かけれないと思う?」

ヒソカさんは私の魔術を見てネンがどうの言ってたんだもの

つまりそういう力を使えるくらいの人間じゃないとなれないってことよね

一般人ではなりえないハンター

だから試験があるのでしょうねぇ

私ってば今日は冴えてるんじゃないかしら?

昨日のアホの子な汚名を返上できるんじゃないかしら?

「試験ってどうやって受けるのかしら・・・」

問題は試験の受けられる場所よね

あと試験内容にペーパーテストとかは勘弁願いたいわ

「止めても無駄ですか?」

「無駄よ。一度気になっちゃうと簡単にはあきらめられない性質なの。」

せっかく別の世界にきたのだから
名産的なものはガッツリ楽しまないとね!

魔術はあまり乱用しないほうがよさそうよね

ネンっていうのが一般的ではないみたいだし

盗賊たちも妙な力とか言ってたし

また魔物扱いされたらたまったもんじゃないわ

目標が決まるとなんだかテンションがあがって
いろんなこと考えちゃうわね〜

「じゃあ、こっちに来てください。」

「?」

真剣な表情で食堂を出るクリスの後についていく
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