HUNTER×HUNTER夢

□拝啓1・2
1ページ/14ページ



拝啓 母上 父上

お元気ですか?

貴女方が若かりし頃につぶしたはずの盗賊団がまた再結成していたりして

狙われたりなんかしちゃったりしてそれを返り討ちにするために

死に物狂いで覚えたドラグスレイブをぶっぱなす毎日です

村人から命を狙われたこともありました

どうやら母上のドラグスレイブに巻き込まれて村が消失したとか

何をどうしたらそうなるのか私にはまったく理解できません

そろそろ母上に向かって私の知識のすべてを駆使して呪いを向けようかと思います

いかがでしょうか?

いかがでしょうか???

そろそろ母の日ですので楽しみにしていてください。





という手紙を
伝書鳩の足に付けて飛ばしたのは10日ほど前の話

ただの落とし穴に落ちただけだったらよかったんだけど

どうも異世界にきてしまったみたいで

言葉は通じるけど文字が意味不明

魔術が使えるのが唯一の救いよ

盗賊が元いた世界よりたくさんいるからお宝には困らない

すごい助かってるわ

盗賊狩りって素敵ね

まあ盗賊を狩りながら旅をしてたんだけどここまでは前の世界と同じね

でもこっちではとある宿でお世話になることにしたわ

その宿のお嬢さんがクリスっていうんだけど

料理の腕がハンパないのよマジで

用心棒もしてたんだけど

ヒソカさんの誘いにほいほいのって試験会場近くの街まできて当日になってその場でいったん解散
試験場で会おうってどういうことよ!









ということで試験会場に到着

クリスにヒソカさんに近づいちゃダメですよって言われてたけど

向こうから離れてくれたし

イルミに関しては変装して参加らしいので一緒にいないことにした

なのでひとりぼっち

会場を見渡した感じ女の人が少ない、少なすぎるわ

向こうじゃ冒険者なんて男女比6:4程度だったのに

「ねえ」

「はい?」

振り向くと頭一つ分下からの視線

宝石みたいな綺麗な目が私を見上げてて

『か、可愛い!!』

口から出そうになった言葉を抑えて一瞬身を引いちゃったじゃない

クリスも可愛かったけど

この男の子もかなり可愛いわ

銀色の髪もツンツンしてるのに猫ッ毛みたいだし

肌も透き通るような白で男の子なのがもったいない

「な、なにかしら?」

「あのさ、アンタの後ろにいる・・・それ・・・なに?」

「へ?」

振り向くとイフリートが一匹

彼はここに着くまでにいろいろあって召喚が中途半端になってしまった存在

見える人が少ないから放っておいたのだけど

この男の子魔術の才能でもあるのかしら?

まあ信じてもらえるかどうかは男の子にまかせて全部話す

「なんか可哀想だな」

「本当に申し訳ないと反省してます。」

「じゃあ早く帰らせてやれよ」

「はい」

「興味本位でって・・・危ねぇな。」

「そうでしょ、イイ子は真似しちゃだめよ」

「いや普通に真似できねーし、変なの・・・あ、そういえばアンタの名前なんていうの」

「サリー、サリー=ガブリエフよ。貴方は?」

「キルア」

「キルアくんは1人できたの?」

「うん、っつーかハンター試験に親同伴とかないだろ。変なの」

笑うキルアくんの表情は
最初に声をかけてきた時よりも年相応に見える

ちょっとは警戒が解けたのかしら

「あ、黒い長髪の男性みなかった?

私と同じくらいの年齢で身長は高くて細身だけど筋肉質な人なんだけど」

「彼氏?」

「ちがうわよ、友達なの。」

「ともだち・・・」

「そ、変装するって言ってたんだけどできればみつけたいのよね」

なんか悔しいんだもの

「ふぅん、名前なんていうの?」

「イ「ぎゃああああああああああああ!!」あら?」

今日はなんだか忙しいわね

騒ぎの方にはヒソカさん

なにかあったのかしら?

「あ〜ら不思議、腕が消えちゃった★」

ものすごく悪い笑顔を浮かべて

地面に倒れている両腕のない男の人を見下ろす

「気を付けようね、人にぶつかったら謝らなくっちゃ◆」

あら、なんだか旅をしているときとまるで別人なんだけど

確かに悪い笑顔を浮かべることはあったけれども

あんなに敵意を向けるような人ではなかったはずなのに

ちょっと他人のフリしたくなっちゃったわ

しばらく関わらないようにしましょ

それにイルミを見つけないと

「ちょっと急いだ方がいいみたいだわ。またあとでね。」

「あ、ちょっ」

銀色の髪をぽふぽふ撫で逃げして人を避けながら歩く

探しても探しても見つからないイルミ

どんな変装したらこんなに手こずるのかしら・・・
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ