HUNTER×HUNTER夢

□拝啓4
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拝啓お母様

そういえばお父様は元気ですか?

お母様への憎しみで忘れがちですが

お父様のことが心配です

なんであんな優しい人がお母様を妻にしたのか

それが私の人生上の七不思議です

まあそのおかげで私がいるわけですが

お父様にはよろしくお伝えください

ちなみに私は海の上でトレジャーハントをすることになりました。















飛行船が到着したのは

難破船が放置された小さな島だった

その島でホテルを経営をしているらしい夫婦の説明で

しばらくの休憩期間だと告げられ

嬉々としてホテルに入ろうとした受験生たちに

夫婦からハンター協会からひと時のバカンスが提供された

しかも超高級

サリーがヒソカたちと一緒に泊まった高級ホテル以上だった

金がないなら現物取って来い
との言葉に受験生たちは各々船や海の中を探索しはじめた

「みんな頑張ってるわね〜」

唯一探す気がないらしいサリーが宝を護っているキルアに近づく

「サリーさんは探さないの?」

「えぇ、私はもう住処を確保したから」

指さす先にはクルーザーが1台浮いていた

「あれ、あんなのあったっけ?」

「さっき作ったのよ〜机と一緒の要領で」

「なーる、え、じゃあ俺らにも作ってよ」

軽くおねだりするキルアに苦笑して

「安全の保障ができないからだめだわ」

「え?」

「底が抜けたりするかもしれないのよ」

頬に手を当てて困ったように船を見る

所々修繕されているのがわかった

「・・・じゃあやめとく」

寝ている間に海に沈むという怖い想像が浮かんで首を振った

「そうしときなさい。私もお宝探してみるわ、持ち物と服を見ておいてくれると嬉しいわ」

タンクトップと短パン姿になると

サリーは海へ飛び込んだ

「なんで」

船があるのに

と聞こうとしたとき

先ほどみた白いクルーザー
サリー号が沈んでいくのが見て納得した



サリーは困っていた

海に潜ってみたものの

目に見える位置にある船はそれなりに深い

肺活量に自信はあるが

潜るには向かない体なのだ

気は進まないが短パンと下着を脱ぎ

「トランスフォーム」

自分自身の体に変身の魔術を使った

二本の足がつながり

オレンジ色の鱗をした魚のヒレとなる

御伽噺の人魚のような姿

「これなら大丈夫ね」

海の中で呼吸もできる便利な体を

イルカのようにくねらせ一度浮上すると

「キルアくん、これも預かっておいて」

先ほど脱いだ服と荷物のそばに短パンと下着を置く

「別にいいけど・・・え!?」

キルアが顔を真っ赤にして二度見した

「着替え少ないから無くしたくないのよ、ごめんね」

綺麗に畳みなおした短パンの下に下着は隠してまた海に戻ると
ゆっくり深く潜っていく
やっと船にたどり着いた

船に入ると部屋の隅に見覚えのある緑がうつる

向こうも気付いたらしい
大きく手を振って近寄ってくる

「ゴンくん、お宝見つかった?」

「うん!いっぱいみつかったよ」

人魚の耳とは不思議なもので
水中でもクリアにゴンの声が聞こえたが、

ゴンの口から大量の空気が泡となって浮かび上がったのを見て

吐き出した本人は慌てて口をふさぎ
船から飛び出していった
放置された宝箱を持って後を追う

「ゴンくん忘れ物よ」

水中から顔を出し

箱を差し出す

「ありがとう!サリーさん
そういえば足が魚の尻尾になってたけど魔法?」

「そうよ、泳ぎやすくなるし海の中でも息ができて便利なの」

オレンジ色の尾ひれをみせれば

「おお、変身もできんのかよ!すげえ!」

キルアが面白そうに尾ひれを見た後

「ゴン交代しようぜ!」

「うん、あれ?この荷物なに?」

「あ、それ私のなの、一緒に見ておいてくれない?」

「いいよー!」

にこにこと笑顔で引き受けてくれたゴンに

「ゴンくんにお土産もってくるわね」

「気にしなくていいよ〜」

「ちょっとくらいお礼させて、ね」

「じゃあ楽しみに待ってるね」

約束をかわして海に戻ろうとすると
そばに飛び込んできたキルアに尾びれを掴まれ驚いて水中から顔を出す

「サリーさん、俺も変身させてよ!」

「いいわよ〜」

キラキラと目を輝かせるキルアに頷くと

「ズボンとパンツはを脱いで。」

堂々とセクハラ発言をした
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