ワンパンマン夢小説

□悪魔1〜35話
1ページ/35ページ









悪魔とハゲマントとはじめまして
























月のない夜は私の時間

街灯はないし人も少ないこの街が好き

なんでこんなに人がいないのかは気になってるけど

いちいち調べるなんて面倒だから

有り難く廃屋とかに住まわせてもらってる

私の体質としては

本当は人間のたくさんいるところに行って

強い人をみつけてその人とあっは〜んなことをしないといけないんだけど

この間行った街はエロに強い人は多かったけど

結局この人がいい!!って思う人がいなかったし

どうしようかなぁ

公園のブランコだったものの上に腰かけて悩んでると

「ヤベー今月ピンチなのに!」

随分大きい独り言が聞こえた

真っ暗な中を走ってくる人が見える

わぁ、光あてたらものすごく反射しそうな頭をしてる人

マントをはためかせて

公園の入り口で急ブレーキ

そしてそのままこっちに歩いてくる

あれ?なんか目が合ってる気がする

月も出てないし

明かりもないのに

気のせいかな?

「お前ここらへんで財布みなかったか?」

「え?私?」

「他に誰がいんだよ。」

なんか偉そう

ハゲのくせに

「見てないよ。」

って首を横に振る

「そっか・・・」

なんだかものすごく落ち込んでしまったらしい

「それ一緒に探そうか?」

こんな真っ暗な中で

一生懸命探してたのかな?

なんだかところどころ汚れてるし

真っ暗な中で私が見えてるってのが気になるし

助けてあげよっと

「ほんとか?」

なんか現金な人だなぁ

「財布ってどんなものなのかな?」

「ん、黄色い長財布だ。」

「ちょっと待ってね。」

ハゲさんの前にふわりと降り立つと

尻尾を一番濃い影に刺す

「黄色い財布、探して」

「探してるっつーの」

「貴方じゃないよ。」

影に呼びかけたのだけど

まあ彼と私しかいないから

その反応は正しいよね

影に視線を向けると文字が浮かび上がる

「あ、見つかったよ。」

黒い影から黄色いものがにょいんと飛び出した

それを受け取ってハゲさんに差し出す

「はい、ハゲさん。」

「おお!何処にあったんだ!?」

「さあ、見つかったんだから何処でもいいんじゃない?」

「適当なやつだなぁ、サンキューな」

「ん、もう落としちゃだめだよ。」

「お礼に飯食わせてやるよ。」

「え、いいよ。今月ピンチなんでしょ?」

さっきあんな大きな独り言聞いちゃったし

「聞いてたのか、まあ気にすんな。」

「じゃあ、お言葉に甘えちゃおっかな」

「あ、鍋火かけたままだから走るな。」

「うん」

走り始めたハゲさんの後に続く

「それにしてもお前目がいいんだな。」

「ハゲさんもじゃん」

「その呼び方やめろよ・・・サイタマって立派かどうかわからないけど名前があんだぜ」

「ごめん、第一印象がね。どうしてもね」

「ひでえな」

「サイタマって呼びすてしていい?」

「おう、お前はなんてーんだ?」

「リリスだよ。リリス様でもリリスさんでもいいよ。」

「あ、リリス。ここ俺んち。」

無視されたけどまあいいか

「へ〜このあたりにまだ人が住めるところがあるんだねえ」

階段に所々ヒビが入ってるけど大丈夫かな

「おう、なんでか知らねえけど俺以外のやつ出て行っちまってさ

この地区で人間に会うの久しぶりでちょっとテンションあがった。」

「えっと、ごめん。」

人と思って話しかけてたのか

なんかダマしちゃったみたいで悪いなぁ

「ん?」

扉をあけながらサイタマが振り向く

電気もつけっぱなしだったらしい

光がちょっとまぶしいな

「えっと私、怪人なんだ。」

「え?それコスプレじゃねえの?」

「全部本物だよ」

「マジか、まあ〜礼ぐらいさせてくれ」

「え、いいの?」

「おう。人に迷惑かけてるやつなら殴るけどな。」

怖いこと言う

「じゃあ、お邪魔します。」

赤いブーツを脱いでスタスタと奥に進んでいくサイタマの後に続く

そういえばあのスーツといいマントといい

もしかしてヒーローとかいう職業の人なんだろうか

「あの、サイタマってヒーローなの?」

だとしたらとんでもないところにお邪魔しちゃってるんだけど

「おう。っていっても趣味だけどな。」

「趣味?」

「そ。3年前からトレーニングしてヒーロー活動してんだ。」

「強いんだ?」

「今のところ負けてないな。」

こんなところに住めちゃうくらいだしね〜

ここら辺怪人が湧いても湧いても消えちゃってるのは

サイタマがやっつけてるからなのかな

「どのくらい強いの?」

「わかんねーよ。何とくらべりゃいいんだ?」

「それもそっか」

「怪人も強いやつが好きなのか?」

「さあ?私は強い人の子供産みたいからなんだけど。」

「は?」

「私の役目は強い人間と結ばれて人間の出生率を下げることなの。」

「それかなりやべーじゃねえか。」

「うん、でもサイタマが強くて私と結ばれてくれるなら他の人とはしないよ。」

ずずいっと寄ってみると

「いや無理だろ。」

「そんなのしてみないとわからないじゃない。」

引き気味のサイタマをさらに追い詰める

青くなったり赤くなったり忙しそう

「一回だけでいいから」

何故かサイタマに確定してしまったから

両頬に触れた

「無理だっつーの!」

お腹に重い衝撃を受けたと思ったら背中から窓にぶつかって

パリパリ割れたガラスと一緒に2階から地面に落ちた

痛い!お母さんにもぶたれたことないのに!

「いきなり殴るなんてひどいじゃない!!」

すぐにその場から飛び上がって

窓から部屋に戻る

「いや、だってお前が・・・え?」

「まだなにもしてないのにー」

「俺いま殴ったよな?」

「ん、痛かったよ!」

なんでそんなこと確認するのか意味がわからないけど

慰謝料として体で払ってもらってもいいかもしれないから

頷いてあげる

「へ〜」

ぽけーっとした顔でへラッと笑って

近づいてくる

「私ココに住む!」

「ん?」

ピタリと止まった足

「サイタマをターゲットにする!」

「え、いや、え???」

さっきまでヘラヘラが

今度は完全に困った顔に変わった

「住まわせてくれないなら、その黄色い財布はサイタマが落とした場所に戻す。」

「は?何言って」

床に落ちている財布を指さすと

机の影が伸びてにょいんと飲み込んだ

「へ!?ちょ、お前やめろよ!返せよ!!」

「やだ。住んでいいっていうまで返さないよ。」

「わかった!住んでいい!!」

「本当?」

「いいっていいって、住むだけなら。マジで返せっ餓死するから!」

だんだんいい感じで必死になってきたので

「契約完了ね♪」

影から飛び出した財布はサイタマの手元に戻った

「ったくなんだお前。」

「怪人です!あ、お湯吹いてるよ。」

「わー!!」











「よし、じゃあここに住むんなら約束してもらうぞ。」

「うん、な〜に?」

「ここに住んでる間は俺以外の人間の男とするな。」

「うん!」

サイタマ以上の人なんていない気がするから楽勝な条件だね

「あと家事は交代制な。」

「は〜い、やったことないけど頑張るよ。」

どんなことすればいいんだろ〜

「あと部屋代払え。」

「部屋代ってなに?」

「ここに住むための金だよ。」

「お金なんかもってないよ。」

「げ」

「じゃあ体で払うね?」

「いや、遠慮する!」

「え〜家事全部すればチャラじゃないの?」

「なんだそっちか。」

「そっち?なに期待したの?」

ニヤニヤしながら顔を寄せると

もう片方の窓も割れてサイタマの部屋はとっても風通しがよくなりました。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ