ハンター夢出会い〜試験前編

□異世界旅行は突然に!?
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異世界旅行は突然に!






草木生い茂る森の中

柔らかな陽を浴びながら道を行く

旅の途中不思議な噂を聞いて立ち寄ってみた森なのだけど

村を出て3日

噂通り地図に表示されたある小さい村には着くことができないでいた

「不思議ねぇ・・・」

食料はその辺の葉っぱや子ウサギや熊で足りているけれど

謎が解けないことにフラストレーションがたまりつつある

「もう・・・こうなりゃ飛んでみるか!」

空からの探索はできれば避けたかった

でもこうもずっとこの森をさまよっているわけにもいかないので

最終手段を取ることにした

「レビテーション!」

十数分の間宙をうける魔法

突風の日は使えないけど

今日はそよ風程度だから問題なく使用できた

地図と方位磁石を取り出す

1日あればつくはずの距離

結界でもはってるのでしょうけど

そういう理由は大抵お宝があるからよ

真実の書、賢者の石どちらかだったら私の旅を終わらせることができる

木を越える高さまで飛ぶと

村は数キロ先にこじんまりとしたものが見えた

レビテーションをかけたまま村へと近づく

空への結界ははっていなかったようで

すんなりと地面に足をつけることができた

無事についてみたものの

なんだかお宝があるって感じではないわね

遊んでいる子供たちも普通だし

少し変なのは看板が見たこともない文字で書かれていることくらい

そういえば村の名前が地図に書いてないのだけど

小さい村だからさぼったのかしら

「おや、めずらしい。旅の人かえ?」

声に顔を向ければ

農作業の格好をしたおばあちゃんが立っていた

「こんにちわ、すみません道に迷っちゃってこの村の名前なんて言うんですか?」

「ここはエゾノー村だよ」

「そうですか、ありがとうございます。」

ポシェットから取り出した万年筆で名前を書き込む

「おんや、見ない文字を書くのぅ 外国から来たのかい?こっちの言葉が上手だねぇ」

「え?」

生まれも育ちも同じ大陸だ

おばあちゃんぼけてるのかしら?

「にしてもよくこんな村によったなぁ、その荷物じゃともう食べものさなくなっちょるやろう?」

え、いや

確かに迷ってはいたけど

食料はあと1日分残ってる

「一番近い村でも1週間かかるからの、うちの食糧わけてやっからきんしゃい」

「あ、ありがとうございます。」

まあただでわけてもらえるなんてラッキーだし

とりあえずついていく

「ほら、芋とパンぐらいしかないけどもっていけ」

私の頭くらいある袋に食料をぎゅうぎゅうに詰めて手渡してくれた

「すみません。こんなにたくさん。」

「あんたよく食べそうやからねえ」

ふぉっふぉっと笑う

体型を指摘されて恥ずかしかったわ・・・

手持ちの薬草の中から疲労回復用のものを取り出して物々交換することにした

おばあちゃんと別れてからまたさっきの場所に戻る

さっきのおばあちゃんの言葉がどうしても気になるんだもの

山や川で隔てられているわけでもない

森を抜けるだけでつけるはずなんだから

一週間もかかるわけないのよ

もう一度地図に目をやって絶句した

自分の目を疑い

寝ぼけているのかとこすってみた

でもどうやら私の目がおかしくなったわけではないらしい

地図を閉じて握りしめ

猛ダッシュで村を出てもう一度

震える手で地図を広げる

目を閉じたまま

大きく広げたらそっぽを向いたまま薄く眼を開いて

チラ見してみる

「なんでなのよ・・・」

地図からあの村の噂を聞いた村だけでなく

故郷の村すら消えていた

それだけではない

大陸そのものの形がかわり

おまけに地図の文字までもが

あの村と同じ謎の文字に変わっていた

「あ、そうか」

確か村に入るとき空を飛んで入ったのだから

出る時も空を飛べばいいのよね

私ったら頭いい!
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