ハンター夢出会い〜試験前編

□異世界旅行二日目
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二日目(午前の部)








この世界の文字を何とか憶えることに成功したのだけど

これからどうしましょうか・・・

取りあえずお金は必要よね

食料はなんとかなるけど

衣類はお金がないとどうしようもないもの

と、いうことで

「日雇いの仕事ですか?」

とりあえずクリスなら仕事口を知ってるかもって思って聞いてみた

「ん〜」

唇に指をあてて可愛らしく考えたあと

「あ、父に聞いてきますね。」

そう言い残してパタパタと食堂を出ていく

それと入れ違いでヒソカさんが入ってくる

「や、おはよ☆」

「おはようございます。」

相変わらずなんだかやっぱり友好的にみえない笑顔を浮かべて

全部の席が空いてるのにも関わらず

私の目の前の席に腰を落ち着かせる

「もうご飯は終わったのかな?」

「えぇ、今日もとっても美味しかったわ。」

オムライスの玉子がふわふわだったもの

「そうかい、ね、君仕事探してるんだろ?」

「聞いてたの?」

「いいや、クリスから君に頼める仕事がないかって聞かれたんだよ。」

「あァ、なるほど」

ヒソカさんとも知り合いのような雰囲気だったものね

わざわざ聞いてくれるなんて

なんていい子なのかしら

「それでね、いい仕事があるんだけどどうかな?

場合によっては、この宿に1か月泊まれるくらいには稼げるよ。」

「そんな美味しすぎる話あるの・・・?」

あきらかに怪しい

でも1か月もここに泊まれたら天国よね

「そう怪しまないでおくれよ★

結構危険な仕事だからそれ相応の報酬が手に入るだけさ◇」

「へーどのくらい?」

「もしかしたら君が誰かを殺す、もしくは殺されるかもしれないくらいに☆」

「・・・なんでそんなニコニコしながら危険な仕事持ってくるのよ。」

「ボクは慣れっこだからさ☆」

「へえ・・・」

まあ道化師だからナイフ投げとかしたりするだろうし・・・え

もしかして的になれってこと?

もしくはヒソカさんを的にしてナイフを投げるってこと????

危険しかない気がする

「どんな内容なのかしら?」

「このあたりにアジトを持ってる盗賊がいるんだ

それを討伐するんだよ◆」

「よっしゃまかせて!!」

盗賊狩りなんて久々じゃない!

「よっしゃ・・・?」

「い、いえ、なんでもないわ。」

賊ってきくと私の中の母さんからもらった

盗賊殺しの遺伝子が騒ぐのよね

旅をしているときは盗賊いびりで生計たてていたから・・・

「アジトの場所とかわかってるのかしら?」

「あァ◆」

「そう、じゃあ早速行きましょう。」

お腹もいっぱいだし

体調ばっちりだし

天気もいいし

いい山賊狩り日和ね〜

「ボクも行くよ★」

「1人で大丈夫よ?」

「キミになにかあったらクリスに怒られちゃうだろ◇」

あァ、それもそうね

「あ、そういえば」

大事なことを忘れてたわ

「なんだい?」

「自己紹介するの忘れてたわ。私はサリーよ。魔術士よ。」

あら、この世界で魔術が使えたからついサラッと言っちゃったけど

「ボクはヒソカ。奇術師さ」

特にツッコミはないわね

よかった。

「奇術師なのに山賊も討伐するの?」

じゃあ昨日の怪我は2人で奇術の練習でもしてたのかしらね

あら、イルミさんも奇術師なのかしら

「奇術師に不可能はないのさ☆」

奇術っていって魔術を使ってたりするのかしら

「じゃあ、さっさと行って帰ってきましょう。

お昼ご飯までには戻ってきたいのよね。」

「もうお昼ご飯のこと考えてるのかい・・・」

呆れたような表情されるとなんかイラッとくるわね

「まあ、さっさといきましょ!」

ヒソカさんも素手みたいだし私も手ぶらでいきましょ

「そうだね☆」

クリスもおじさんもいなかったので

書置きだけカウンターに残して

2人で宿を出た

久々に山賊を狩ると思うと嬉しくってつい鼻歌が出ちゃったから

「・・・怖くないのかい?」

ってヒソカさんが不思議そうに私を見る

「え、何が?」

怖いって何がかしら?

「もしかして魔物とかでるの?」

「いや、ここら辺にはいないよ、盗賊は怖くないのかい?」

「何故?意味が分からないわ。」

賊や魔物が怖くて旅なんかできないわよね

「・・・そっか◆」

「あ、ヒソカさんこそ大丈夫なの?」

「何がだい?」

「手ぶらで来てるけど、戦闘になっても助けてあげられないかもしれないわよ?」

振り向いて顔を見上げると

狐目のはずのそれをまん丸くして固まってしまった

「クックックッ・・・キミ面白いね☆」

「どのへんが???」

笑いのツボがわからないのだけど

「ボクも戦闘になると守ってあげられないからね?」

「ええ、もちろんよ。1人で旅をしてきたからそれなりに腕はいいわよ?」

まあ盗賊狩りは久しぶりだけどね

なんてったって狩りすぎて絶滅危惧種にしてしまったんだもの

こっちではほどほどにしないといけないかしら

ああ、でもテンションがあがっちゃって手加減なんかしてあげられないわ!きっと!

「武術の心得でもあるのかい?」

「ちょっとだけね。」

体術はあまり得意ではないけど

盗賊相手なら問題ないレベルだし



魔法はどれが使用できるか

盗賊を的に試し撃ちもしてみましょ♪








「たしかこの辺りだったんだけど★」

街から数km歩いた地点

山の影に隠れるように石でできた砦があった

THE盗賊のアジト

ってかんじね

外に『俺盗賊ですよ!』という格好をした男が2人立っている

身軽な格好するのは世界共通なのね

あと腰に毛皮まくのも

「こんな近くにアジトがあるのに今まで放置されてたの?」

あまりにも怪しい

「ボクがあの盗賊団の話を聞いたのはつい最近だからねぇ

よくわからないよ☆まあなんだか強そうな感じはしないから放置されてたのかもね」

そういうものなのかしら

「そうね、放置されてるってことはお宝をたっくさん蓄えてるってことだものね♪」

「え?」

「ここは私に任せて頂戴。」

風の魔法が使えるのはレイウィングでわかった

問題は火よ

火の魔法!これが使えるかどうかで私のこの世界での立ち振る舞いがぐっとかわる

両手を胸の前に出す

詠唱無しでは少し不安だから

両手の間に魔力が集中するのを意識しながら言葉を紡ぐ

「全ての力の源よ」

いつもとは少し違う魔力の流れではあるけど

ソレは額から胸の中央へ流れていき

「輝き燃える赤き炎よ」

胸から腕へ

腕から手のひらへ

微調整すれば問題ないレベルみたいね

「我が手に集いて力となれ。」

両手の間に魔法が成功したときの感触があり

薄目をあければ

炎が塊りになっているのが見えた

よっしゃああああ!

この世界でも生きていけることが確定した!!

喜びのまま

「ファイアーボーーーール!!!」

男たちが守っている中央の扉へ思い切り投げ込んだ

石壁を木の扉を粉々に砕き

爆風は男たちを木に、地面に叩きつけ

そのままのしてしまった

燃えないなんて運のいい人たちね

「さ、扉が開いたわ。行きましょ!」

お宝を取りに!!

ヒソカさんを見ると

満面の笑みを浮かべて

「あぁ★」

嬉しそうに両の手に何かを構える

最初はナイフを持ってきてたのかなっておもったのだけど

すぐにそれが魔力のこもったカードだってことがわかった

とりあえずお宝を独り占めにされたら嫌なので先手必勝

全速力で建物に駆け込む

慌てふためく山賊たちは各々しっかり武器は手にしていた

けど何故か指揮がとれてない

部屋の中央レアに焼けた男が気を失って倒れていて

周りの下っ端っぽい人たちがおかしら〜と情けない声で呼んでることから

どうやらその男がこの盗賊たちをまとめていたみたい

「おじゃましまーす!」

まあ【悪人に人権はない!】って母さんの名言

私もそれに同意するし

【悪人に同情の余地なし!】っていうのが自分ルールもあるので

「ファイアーボール!!」

本日2回目のファイアーボールを拡散させてみると盗賊たちは悲鳴をあげて外へ飛び出していった

ちゃんとお頭も連れて行ってる、えらい!

「おったから♪おったから〜♪」

スキップしながら廊下を進んでいくと

一つだけ頑丈そうな扉があった

明らかに大事なものがありますよっって感じの扉

本当に大丈夫かここの盗賊たち・・・

と思いつつも扉はもちろんピッキングであけて侵入

「なかなかいい量ね。」

部屋の床を覆い尽くすほどの金銀財宝が保管されていた

「そうだろ?ボクは必要ないからキミは好きなだけ持っていくといいよ★」

何もしなかった、ここ大事よ?

何もしなかった奇術師さんのお言葉に甘えて

もってきていた布袋に気に入った宝石やらをお引越しさせる

その間ずっと視線は感じてるけど無視

視線を気にして目があったら何かしら言われる気がするし

さっきからなんか雰囲気が変なのだもの

「それにしても君の念は面白いね★」

「ネン?」

念って祈祷師とかがするあれかしら?

「ふぅん★」

「え、なに?ネンってなに?」

「いや、なんでもないよ◇」

なんでもなくはないでしょ!

「ほら、はやく帰らないとお昼のがしちゃうよ◇」

「う〜ん、それもそうね。帰りましょ。」

ネンのことも気になるけど

宿で待ってくれているであろうクリスの手料理の方が私には大事なので

今回はヒソカさんの話に乗って

聞かなかったことにしてあげた

まあ後で聞き出すけどね
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