HUNTER×HUNTER夢

□拝啓4
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「「!?」」

キルアとゴンの表情が固まる
当の本人はきょとんとした表情で

「変身させるからそのままだとパンツが足の肉にくいこむわよ?」

と首をかしげる

「わ、わかったよ!!あっち向け!」

「はいはい」

顔を真っ赤にしてこちらに背中をむけるキルアに自分も背中をむける

「ゴンこれ服の近くにおいといてくれ」

「うん、わかった」

背後で2人の会話を聞く

「そっち向いて大丈夫?」

「ん、平気」

振り向けばすこし居心地の悪そうな表情があった
何故か罪悪感が生まれるが気のせいだと自分にいいきかせ

「じゃ、いくわよ。鱗は自分の好きな色をイメージして」

キルアの両頬に触れて
グッと距離をつめ額をあわせる

「っ!」

サリーの行動に驚いたのか
息をのむ音が聞こえたがそのまま目を伏せ小さい言葉で詠唱を終えた

「トランスフォーム」

キルアの下半身が紫色の鱗に包まれた魚のヒレへと変わった

「おおおおお!すげー!」

喜びの声をあげるキルアにサリーが微笑む

「時間は30分ジャストよ。楽しんでね。」

「キルアいいな!サリー
さん!俺も!俺もしたい!」

「バーカお前は宝みてろよ!」

「えーキルアだけずるい!」

「ふふ、ゴンくんもあとで変身させてあげるからね」

「うん!変身させてくれるならお土産は無理しなくていいからね!」

両手を振るゴンへ手を振り返し今度こそサリーは海のなかへ潜った

視界の端で別の船の中へ
まるでマグロのような素早さで消えて行ったキルアに気付いたがあえて追いかけず

他の船内を探す
いい宝箱を何個か見つけたが
目的のものはみつからず溜息のかわりに泡を吐き出す

「一応ひとつだけもっていきましょう」

宝箱を手に海の上へ浮上したその時
悪寒がしたためすぐに海の中へ戻る
尾びれの先を何かがかすめた感触があり視線を向ければ長い銛が浮いている

もしあのままいたらと思うとぞっとしたのと同時に投げてきた相手に怒りが芽生え銛につながれた紐を掴んで引っ張る

どうやら相手もこちらを引き上げるつもりらしく想像以上に強い力でひかれ水中から顔を出してしまった
紐の先を睨めば見慣れた頭があった

「サリー!?」
「ハンゾーさん!?」

お互いの顔を見て驚きの声をあげる

「すまんすまん、飯の調達してたんだ、オレンジ色のヒレが見えたから大物って思ったんだが間違いだったか」

「まあ半分正解なのだけど」

とハンゾーが立つ船の甲板にのりあげて尾ひれをみせる

「変化の術か、お前の魔法って種類豊富だな」

感心はされたが驚きはしなかったようだ

「宝さがししてたのか」

「えぇ、ハンゾーさんはもう探し終わったの?」

「一応何個かな、部屋さえ借りられればそれでいい」

「そうなの」

「お前が見つけたのはなんなんだ?」

「なにかしら?とりあえず開けてみるわね」

促されるまま素直に箱を開くと中にはナイフに似てはいるがフォルムの違うものが出てきた
持ちてらしき布のまかれたその先は輪になっており
反対の刃の部分はひし形になっている

「あら、これって忍者が使う武器じゃない?」

「クナイだな。触っていいか?」

「えぇ」

きちんと一言添えてからハンゾーがクナイを手に取る

「手になじむな」

「キレッキレね!」

「ただ不思議だ。初めて握るものなのに違和感がないぜ」

気に入ったのかその場で何度か素振りしてみせる

「気に入ったのならあげるわ。」

「いいのか?」

「ハンゾーさんのためにあるようなものじゃない」

「じゃあありがたくいただくぜ!代わりにどれかやるよ。」

いそいそと宝箱を開くと

「・・・コレ頂戴!」

箱の中、青く光る宝石のついたブレスレットを指さす

「おお、即決か」

「これたぶんタリスマンだわ。探してたのよ!」

「たり・・・?」

「タリスマンっていって魔力増強アイテムなの、すごくうれしいわ」

手の中の宝石を見て微笑むサリーにつられハンゾーも微笑む

「お前の役にたつならうれしいぜ」

「大事にするわね」

さっそく右手首にとりつけた

「あァ」

「他にもないか探してくるわ」

「見つけたらまたお前にやるよ・・・泳いでる途中で力つきたりしないように気を付けろよ」

「はーい」

ハンゾーと別れ海へ戻るのだった
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