ハンター夢出会い〜試験前編

□異世界旅行二日目
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二日目(午後の部)








「さっきはよくも襲(や)ってくれたなぁ」

宿の前でヒソカさんと別れて

私は心の中でスキップをしながら

ヒソカさんに教えてもらったお宝を換金してくれる場所へ向かっていたのだけど

目の前には見覚えのある顔がチラホラ

しかもすでに臨戦態勢ってやつね

完全に囲まれてる

「あら、どこかで会ったことあるのかしら?」

先を急ぎたい私としては

この人たちにかまってる暇はないわけでちょっとわからないふりをしてみた

「なにとぼけてんだ!お前が持ち出したその宝は元々俺らのものだろうが!」

「いいえ、これは私が一生懸命お仕事(盗賊いびり)して手に入れた大事なお宝なのよ。」

まったく変な言いがかりしてくれちゃって

あら、さっきから喚いてるこの人

全身包帯してるけどこんな人いたかしら?

「お頭、この女返す気がねえんですよ!」

「さっさと取り返しちまいましょう!サツがきます!」

サツってなにかしら・・・

街の治安部隊みたいなもの?

「まあ待てお前ら。俺たちは女子供からは巻き上げない決まりだろうが」

「しかし、あの女変な力使うんだ・・・そうだ。魔物にちがいねえ!」

「私は正真正銘人間よ!」

魔術が使えるからって魔物扱いなんて失礼なやつらね

「女子供から巻き上げないってのがルールなら

とっとと道をあけてくれる?私ははやくこれをお金に換えたいの。」

「巻き上げるんじゃねえ取り返すんだよっ」

「ああ、もう埒があかねえ、やっちまえ!」

もう、なによ。結局襲い掛かってくるんじゃない

「ファイアーボール!!」

片手は袋に入らなかった分の大事なお宝ちゃんのために塞がってるから

また微調整して空いてる手だけで火の魔術を放つ

向かってきていた盗賊たちが慌てて避けるものだから

部下の背中で見えなかったのでしょうね

反応が遅れた包帯男が本日二度目の餌食になってしまって

「ぎゃああああ!」

情けない悲鳴がきこえてきたわ

ご愁傷様

「おかしらぁぁ!よくもお頭を!」

「アンタたちが避けなければお頭には当たらなかったでしょ〜」

「うるさい!変な力を使いやがって!」

変な力ってなによ

ヒソカさんからツッコミこなかったのに

あ、ヒソカさんは奇術師だし

これが手品とか思ったのかしら

「まあいいわ。全員仲良くぶっとばしてあげるわよ〜」

とは言ったものの街中じゃあ派手な炎は使えないから困るのよね

とりあえず煙に巻いてあげましょう

「バーストロンド(爆煙舞)!!」

あら、ちょっと威力がありすぎたわ

巻くどころじゃなくて街の外まで飛んで行ってちゃったけど

まあ私のファイアーボール受けて生きてたんだから平気でしょ

にしてもあのお頭は可哀想ね

二回も火に焼かれた上に吹き飛ばされて

今度こそ死んだかもしれないけど

まあお宝はもう私のものだし仕方ないわよね

「おじさーんこのお宝交換してくださいな♪」

お店の中に入って早速お金に交換してもらうことにした

お昼ご飯の時間には間に合いそうになかったから

食べ歩きをして帰ることにした





いろいろ街をみて回っていたら大分時間が経ってしまったわ

お腹のヘリ具合では4時くらいかしら?

晩御飯は7時だったっけ今日はどんなごちそうなのかしら

「サリーさん!おかえりなさい!!」

宿に帰ると泣きそうな顔のクリスが飛びついて来た

「た、ただいま?」

一応命の恩人とはいえ他人の私をなんでそんなに心配してくれるのかしら

本当に優しい子ね

「もう、心配したんですよ!ヒソカさんと二人っきりで出かけたって置手紙だけするなんて!」

「えっと、ごめんなさい。」

「何もされてないですか?大丈夫ですか???」

「?何もされてないけど。」

こんな体型の女に何かするって

ヒソカさんはぽっちゃり好きなのかしら?

「よかった・・・」
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