ハンター夢出会い〜試験前編

□異世界旅行六〜八日目
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七日目





「ふんふふ〜♪」

鼻歌を歌いながら

その手は丸くてぽにょぽにょした生地をこねつけていた

「なにしてんの?」

「あ、おはようイルミ」

ちょうど日差しの入る台所では

その生地が何個も陳列されていた

「なにそれ」

「パン焼いてるのよ」

「ふーん」

リビングの椅子に腰かけ焼きあがったばかりのそれを見る

「先に食べてて、ジャムはいちごとブルーベリーしかないけどいいかしら?」

「うん」

湯気を立てるパンを手に取る

「あつ」

といいつつも無表情でかぶりつく

「火傷しない?」

「大丈夫。」

「そう、・・・コーヒー淹れるわね。」

「うん」

もそもそと1人で食事を進めるイルミに

「そういえば、ヒソカさんは?」

「夜中にでかけてたよ」

「そう、捕まってないかしら」

「ヒソカ捕まえれる警察なんていないよ。」

「ヒソカさんってやっぱり強いのかしら。」

「かなりね」

「なんで戦えないふりをするの?」

「さぁね、雑魚と戦っても面白くないからって言いそうだけど」

「そう」

マグカップをイルミの前に置くと

最後の生地を釜戸へ入れる

「これが焼きあがる前に帰ってきてくれると嬉しいわ。」

「そうだね、焼き立てウマいよ。」

「ほんと?」

「うん」

「ふふ、ありがと」

無表情なイルミだが

目の前に積まれたパンが減る速度がいつもより早いことが

サリーにはとても嬉しいものだった








「全部なくなっちゃったわね。」

「そだね」

「ヒソカさんにはまた今度ってことで」

「いいと思うよ。」
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