短編
□ブラコン姉貴とツンデレ弟B
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「でもミツバは私に遠慮してたの…私がいたから、十四郎と一緒になれなかった…私さえいなければ幸せになれたはずなのに…」
気がつけば涙が溢れていた。
子どものように泣きじゃくるなまえを沖田は抱き寄せる。
「総悟……?」
「アンタは少し鈍感すぎるんでさァ、なまえさん」
「え……」
「姉上はあの野郎よりアンタのほうが大切だっただけでィ。だから後悔なんてしてないし、ましてアンタのことなんて恨んでるわけねェ」
「そう思ってもいいの…?」
「むしろそう思っててほしいんでィ」
「……ありがとう、総悟」
なまえは沖田の胸にそっと頭を預けた。
懐かしい匂いに包まれる。
ああ、ミツバの匂いだと思った。
「なまえさん、ひとつ聞きてェことがありまさァ」
「ん?なに?」
「土方さんのこと、どう思ってんですかィ」
「へ?好きだけど」
「………そうじゃなくて…」
苦笑いをする沖田に、?マークを浮かべる。
「弟としてじゃなくて、男として……恋愛としてってことでさァ」
「……ん〜〜??よく分かんない。なんで急にそんなこと…」
なまえの言葉は遮られた。
沖田の唇によって。