恋セヨ乙女

□#007
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『銀さんは本当にあの人に似てる・・・・』



「あ?」



『私のその好きな人』



「そりゃ光栄だな。どんなやつから知らねえが」



『私、本当に吹っ切れた気がする。話聞いてくれて有難う』



「いいってことよ。悩み聞くのも万事屋の仕事だ。それよりお前、お前も勿論今聞いたことは誰にも言うなよ?」



『え?』





誰に問いかけたかと思えば、





「勿論です!誰にも言いませんよ!」




ベッドの下からそんな声がした。
下を覗き込んでみれば、何故か真選組の監察・山崎退が。





『あれ?山崎さん、でしたっけ。なんでこんなところに』



「・・・・しまったあああ!バレたああ!」



「何してんだよお前!気持ち悪ィ!」





銀時がベッドの下という狭い空間ゆえ動けない山崎に蹴りを食らわせる。






「痛い!!旦那、ちょっと待ってください!話を聞いてくださいよ」



「あ゛ぁ?変態野郎に聞く話なんてねえんだよ」



「お願いしますよ。そろそろ面会時間も終わるみたいだし、俺も帰りますから・・・・」





涙目(蹴りのせいかもしれない)で頼む山崎に、しょうがなく銀時は付き合うことにした。




「チッ、わーったよ。じゃナツカ、また明後日ぐらいに来るぜ」



『うん、それじゃあ気をつけて』





山崎を引きずり、銀時は病室から出て行った。





誰もいない病室は静かで、寂しかった。
一人には慣れていたはずなのに、江戸に来てから弱くなってしまったみたい。





窓の外の夕陽を眺めながら、そう思った。





『(あ、そういえばなんで山崎さんはいたんだろう。次銀さんが来たときに聞かなきゃ)』





山崎がベッドの下にいた理由。
それがどんなものかも知らずに。






近づく黒い影
(ようやく掴みかけている幸せをまた壊そうとする)
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