ようさぎの恋
□#004
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チュンチュン、なんてすずめの鳴き声がする。
窓から光が差し込んでるし、そろそろ朝かな・・・・
一度あくびをしてから起き上がろうとすると
腰に何か違和感を感じた。
腕が回されてるような・・・・・
手を当ててみると、予想通り腰に腕が回され、抱きしめられていた。
あれ?あたし、昨日神楽と寝たんだっけ?
そんなことを考えながら、首だけ後ろを向いた。
『・・・・・・え』
いたのは神楽じゃなく、気持ち良さそうに寝息を立てる銀ちゃんだった。
え?どういうこと?
精一杯考えていると、銀ちゃんの手がだんだんと上に上がってきた。
『っ!!!』
そしてついに、その手が胸に・・・・・・・
『・・・・・銀ちゃんのばかあああ!』ドゴッ
「ぎゃああああ!!!」
******
『・・・・・・・銀ちゃん、ごめんなさい』
あたしは右の頬が真っ赤に腫れた銀ちゃんに、深く頭を下げていた。
説明しますと、
・昨日あたしは銀ちゃんの部屋で寝た(もちろん布団は別々で)
・寝相が悪いあたしは隣の銀ちゃんの布団に入っちゃった
・そして今朝のような事件が起きちゃった☆
ってわけです。
「゛起きちゃった☆゛ってそんな軽いトーンじゃ済まされないからね」
『本当にごめんなさい!』
「銀ちゃんも銀ちゃんだヨ。澪耶の胸揉みやがって」
神楽が酢昆布をくわえながら言う。
「揉んでねぇよ!ちょっと掴んだだけだよ」
「それを世間では゛揉んだ゛って言うアル」
「違いますーぅ。揉むならもっとしっかり揉んでますーぅ。むしろ揉みたかったですーぅ」
『何言ってんの銀ちゃん////!!』
「おはようございまーす。・・・・・あれ?銀さん、ほっぺどうしたんですか?」
新八くんがやってきた。
そして真っ先に銀ちゃんの頬について質問してきた。
「これはいいんだよ。何も聞くな」
「???まあいいですけど。・・・・あ、澪耶さん」
『ん?何?』
「ちょっと折り入って頼みがあるんですけど・・・・・」