ようさぎの恋

□#007
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銀ちゃんはソファに寝転んでジャンプを読み、神楽は定春と戯れ、新八くんは掃除中。
あたしはお茶をすすりながら、テレビを観ていた。




平和だな、と心の中で呟く。
殺し屋として生きていた日々が、遠い昔のことみたいに思える。





「すいません、誰か買い物行ってきてくれませんか?」



「「テメーで行け」」





新八くんの頼みを銀ちゃんと神楽が一蹴した。




「眼鏡のくせに人に指図してんじゃねーヨ」



「゛眼鏡のくせに゛って何ィイィイィ!?眼鏡の人は何か頼んじゃいけないの!?全世界の眼鏡に謝れ!」



「地味眼鏡のくせに人に指図すんじゃねーよ」



「銀さんんんん!!余計なもの付け加えてるよ!」





散々突っ込んだあと、新八くんは気を取り直すように咳払いをした。




「しょうがないなぁ、じゃあ僕が買い物に行くので誰か掃除と洗濯を・・・・・」



「「それもテメーでやれよ」」



「なんで奇妙なチームワーク発動してんだお前らアァアア!!」



『新八くん落ち着いて!あたしが行ってくるから!』





鼻息を荒くして怒る新八くんをなだめる。






結局あたしがおつかいに行くことになり、外に出た。
新八くんから渡された買うものリストを見る。





卵、牛乳、豚肉、砂糖、いちご牛乳、酢昆布
・・・・・最後の二つ、絶対に銀ちゃんと神楽だ汗





二人に呆れつつ、スーパーへの道のりを急いだ。





〜澪耶が出かけた後の万事屋〜





「新八のせいで澪耶が行くことになったアル」



「女の子ひとりで買い物行かせるって・・・・新八、お前それでも人間かよ?」



「僕そんなに重罪なんですか」





未だにぎくしゃくする三人。
爆発しそうな怒りをこらえながら、新八はほうきを動かす。




゛えー、番組の途中ですが臨時ニュースです゛






ほのぼのとしたお昼のバラエティ番組が、突然ニュースに切り替わった。
緊迫した表情のアナウンサーの顔が映る。





三人がテレビの画面に釘付けになった。






゛かぶき町の大江戸スーパーに三人組の強盗が襲撃し、只今立て篭っているとのことです。現場の花野アナ!゛



「Σうわ、物騒な事件だな」



「今からワタシがあそこに行って、強盗共をボコボコにしてきてやるネ!」



「くっだらねー。捕まるに決まってんのになんでそんな馬鹿なことすんのかね」





それぞれバラバラな反応を見せる。






゛あっ、人質です!人質の姿が見えました!゛



「人質も取ってるみたいですよ」



「まさか澪耶だったりして」



「そんな漫画みたいな話あるわけないアル!」



「だよな〜・・・・・」



゛青い髪の女性です!犯人に着せられたのでしょうか、マントを羽織ってます゛





アナウンサーの言葉に、その場は凍りついた。
テレビに映っているのは、明らかに先ほど出かけて行った澪耶。






「「「・・・・・・・・えええぇえええ!!?」」」




三人は同時に万事屋から飛び出した。
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