唐揚げに染まる僕と君の物語

□君と僕の行ったり来たり物語
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違う土地の空気が体をつつむ


今日はなめこに彼女の地元まで逢いにいっていた

久しぶりの休日オフ。

初めて飛行機で降り立つその地にドキドキをおぼえる

彼女のいる土地

俺の、大好きな。


待ち合わせのカフェに緊張して立ち入るとそれらしい女の子がチョコシフォンケーキを食べながら気怠そうに雑誌をめくっていた

長い髪の毛がシフォンケーキのクリームにつかないかハラハラするが、そんなのもすぐに頭の中から消え失せて彼女に釘付けになった

白い肌に黒い瞳、紅など塗っていないのに赤い唇が見ればみるほどギョッとする。


はやく声が聞きたくて。

ハスキーで低めの響きを求めて


「なまちゃ?」

声をかけた。
はっとしたように黒い瞳がこちらを伺った


「あ……」

「好きな名前で呼んでいいよ」


俺が気づかれるのを気にかけたんだろう。でも俺はなめこに名前を呼んで欲しくて。

「相葉!!!」

心なしか嬉しそうに笑ってそう呼ぶんだから…。なめこ…なんだか俺はとても嬉しかった

「わざわざ呼び出してごめんねー」

「いやいや、相葉もよくここまで来たね」

千葉からここまで…遠かった

「うひゃ、会いたかったー」

「は、なに言ってんだし!!」

けっこう本気なんだけど,冗談みたいに言えば彼女は心底イヤそうな顔をしていた


「じょおだん☆」

「だろーね。はあーっ」


もー。怒り気味もかわいいんだからー♪

「ねえ、どこ行くの?」

「俺に聞かないで(笑)どこになにがあるかわかんないんだから」

「あたしがそっち行けばよかったわホント」

「いやいやいや15歳が独り旅とかないから。危なすぎるから」

「この間のこと忘れたのかなあー???」

「だあーめ。俺はあんなことさせないんだからっ」

変に胸をはれば、吹き出す彼女

なにがおかしいのか俺には理解しがたかったけどつられて笑う

なめこが笑うとうれしくて。

フリートークのときのようなテンションが見てみたくて…

だって普段こんなに大人っぽくでかわいくてかっこよく歌うたうんだもん。


なんだか、憧れを持ったのは事実だったりしていた
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