唐揚げに染まる僕と君の物語
□君と唐揚げのレシピ物語
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相葉となまえは一緒に歩いてる。
なまちゃでもなめこでもないなまえと。
相葉はうれしくてスキップでもしてしまいそうだった。彼女との微妙な身長差になんだかニヤニヤが止まらない。勝手に口がほころんでしまう。なんでだろう?
わかってるだろ、俺。
そんなん、なまえのことが好きすぎてるだけじゃーん
彼は自分に言い聞かせる。
考える必要ないしいまや恋人どうしとなったふたりの間にニヤニヤを隠すなんて行為必要ないはず。
なまえも鼻歌を歌っていた。鼻歌なんて軽いものなのになんでこんな綺麗に聴こえるんだろ。
曲が嵐の曲だった
興味無いと言っていたはずなのに…
きっと無意識なんだろう。とても気持ちよさそうだ
俺もこんな風に歌えればいいのに、とまた相葉は彼女に憧れをいだいた。
憧れ。目標。すき。だーいすき。
「ね、相葉」
なまえが鼻歌を歌うのをやめて話しかけてきた
「ん?」
横を向くだけで目があう
「どこにむかってるのー?」
「んとねー。しょおちゃんとこ‼みんなに俺の彼女、紹介すんの」
「え?!」
なまえが驚いたような声をだして立ち止まった
つられて、というかこの場合当たり前だけど相葉もぴたりととまった
「どした?」
「いやー。櫻井の家なんて行ったら…妹が…とゆーか妹に…」
そういやぁ‼たしか、彼女の妹は激熱な嵐ファン。たしか、櫻井翔が大好きだった。
「あひゃ、だーいじょーぶ!他のメンバーもいるしー」
「そういう問題じゃないよね、でも……嬉しいよ、相葉」
「え?」
なまえが歩きだした。相葉はそのあとを早足でついていった
「信じてくれてるんだなあ、って。それに比べてあたしは…最初の頃信じられてなかったなあ…ってさ。名前のことだって最初はハンドルネーム、そして偽名を貫いて今日やーっと本名を出した。ごめんね、今まで」
「なまえ………」
少し申し訳なさそうな表情をうかべるなまえの横顔を伺う。
「今は今じゃん」
そういってスキップをした
彼女が小走りでついてくる
「俺はなまえの声に惚れたの。そのあと、容姿にキュンとして、やっと人間性がとても好きになったんだよ」
そんなもんさ、なんて大袈裟に頷いたら彼女は笑ってくれて。そんでまた小走りでついてきた
そしてついたのは櫻井、とかいてあるマンションの一室。
相葉はピンポーンと、チャイムを連打した
彼女の息がきれていた。
そっか、運動苦手だったっけか。しょおちゃんに水もらお…
そんなこと考えながら。