はりうっどdream
□loki
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邪神と呼ばれているのに、
この男は可愛すぎるのではないかとつくづく思った。
そりゃあ何考えてるのかなんていつだってわからない。
嘘ついてるのかもしれないし、
はたまた真実を述べるのかもしれない。
このくりくりとしたいたずらに光る瞳と半笑いの口元は、本音が読み取りにくい。
「なまえ、今日も来てくれたのか」
「・・・ソーのお願いだからよ」
私はなまえ。
オズガルドの宮殿で働いている。
今は第一王子、ソーの命令で1日に何度かこの第二王子のいる牢に来ている。
「お願い、じゃないでしょう。兄上からの命令によって、なまえはここにいるんだろ?こんなこと言われたら悲しいですかね?」
さきほどまで含み笑いを浮かべていた薄い唇が少し冷酷そうにたずねる。
悲しい、というか少し寂しい。図星を当てられた気がして私の手がぴくり、と止まった。
それを見逃さないぞとばかりに鼻でフッと笑うロキ。
「兄上はあなたなんかに興味なんてありませんよ、なまえ。ソーには地球に女がいるんです。あなただって知ってるはずですよね?」
ソー...ロキの兄。
・・・憧れを、抱いてなかった、と
言えば嘘になる。