はりうっどdream

□出て学ぶんだよ
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嘘だ。絶対嘘だ


だってこんな。


「かえしてよ!!!あたしのキャリーケース!!!!」

日本語で叫んでも理解してくれないってわかってる


でも、んぁああああああああ!!!!!!


あたしなまえはただいまアメリカ・ロサンゼルスにて
盗っ人にキャリーケースを置き引きされ、猛スピードで追いかけています

初めての海外で浮かれてたらこれだもんなあ...ほんとツイテナイ


「っぁっはっ〜っ」


もともと運動能力がないに等しいくらいだったから息はもう切れぎれだった

盗っ人が曲がり角を曲がった
もう見当たらないかもしれないと思って勢いよくまがると



…え




ぼかっと鈍い音がしたかと思ったら盗っ人は倒れていて、宙に浮いたキャリーケースを軽々とキャッチする帽子をかぶってサングラスをかけたアメリカ人男性がいた



「あの...ありがとうございます」

あわててそう口走ったが、ここはアメリカで相手はアメリカ人だったと気づくなり慌てて言いなおした

「さ、さんきゅーべりーまっち」

深々と礼をすると、男の人は口元を少し緩めて同時に口角を少しあげた
どこかで見たことのある仕草だと思って顔をあげた

「どういた、ますて」

カタコトの日本語でどういたしましてというアメリカ人男性。

やっぱりどこかで聞いた声だ

「日本語…話せるんですか?」

おずおずとゆっくりと話しかけてみると男性は右手を目の位置まで持ってきて"少しね"と示した


その少年みたいな動作に少し胸が動くのを感じた

「やだ、ハリソン以外にキュンとするなんて」

聞こえないように小さく日本語で呟くと

「harrison ford?」

と聞き返された
そうだ。彼はアメリカを代表するハリウッドスターだ
知らない人はいないんだ

「ハリソンフォード、大好きなんです。実はアメリカに来たのも、ばったり逢えないかなっていう期待をこめて」

少し顔を染めてそう言うと
目の前にいる彼の口から少し驚いたような表情が読めた

「You are very luckey lady」

え?

「僕がハリソンフォードだよ」

ちらりとサングラスをずらした時に見えた彼のそのキラキラと悪戯っぽい目を見た瞬間
あたしはわかった

そうだ彼だ
ずっと大好きだった彼だ

「っ!!!//なまえです」

「ジャパニーズレディ。
きんちょ、しなくていいよ
僕も嬉しいから」

柔らかく笑う彼の顔をみつめる
よくみれば顎に傷がちゃんとあった。もっとはやく気付けばよかった。

ていうかあたしめちゃくちゃ恥ずいこと言った!!

告白した?!
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