はりうっどdream

□バレンタイン企画
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「目をつぶってごらん」


そう私が小さく告げれば従順に目をとじておとなしく足をブラブラさせている。

私はそっとズボンのポケットから小箱をとりだした。

前に彼女が歌っていた曲の歌詞にあった



‘大きな箱より小さな箱に幸せはあるらしい―‘



そういえば日本のそんな御伽話をなまえの口から聞いたことがある。


でも私は、それより大事な・・・



「目。あけて」



ゆっくりと目をあける彼女。長いまつげが黒い瞳を隠したり、強調したり。



そしてゆっくり、箱を彼女の目の前に持っていく。なまえの小さな細い手に、その赤い箱をにぎらせた。



「私と結婚してください」



パカっと箱をひらく。

小さな上品なダイヤモンドがキラリと光る、プラチナの婚約指輪がベルベットにうもっている。

彼女は小さく叫び声をあげて涙を静かにながしはじめた



「愛してるよ、なまえ」


「あたし、あたしも、あい、あいして...」


ひっくひっくしながら頑張って応えてくれようとする彼女は本当にかわいくて、愛しくて。涙の落ちるスピードがなんとも美しくて。




「結婚。してくれるかい」

「うん、うんっ...あたし、でよければッ、」

「なまえ以外なんて考えられないよ」



嘔吐が止まらない口に、彼女の大好きなチョコレートをくわえさせてあげるけど、なかなか落ち着きそうにないので



優しくキスをした。











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