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□君にとっての、プレゼント
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―ジリリリリッ!
早く起きろと急かす目覚ましの音と共に、朝日が窓ガラス越しに目を刺激する。外では、二匹の小鳥が仲良さそうに飛んでいた。
「朝だ…!」
私はガバッと布団から抜け出し、机の前に行く。
机の上には、この国のカレンダーが置いてある。
「えへへっ!」
自然と顔がにやけてしまう。
でも、しょうがないよね。だって…
「今日は私の誕生日だもん!」
そう、今日は四月一日。
私の誕生日。
なにか良いことが起こりそうな予感がするんだ!
「さくらちゃーん!朝ご飯だよーぅ!」
「はーい!」
ファイさんに返事を返し、すぐさま着替えて私は一階に降りて行った。
―君にとってのプレゼント―
「おまたせしまし…「ハッピーバースデー☆さくらちゃーん!」
「おめでとうございます、姫」
リビングに入った途端、パーンというクラッカーの音と共にお祝いの言葉が聞こえてきた。
「おめでとうなの!さくら☆」
「ありがとうございます!」
皆がお祝いしてくれたのが、本当に嬉しい。
「でね、こーれ!俺と黒様とモコナから誕生日プレゼントだよー」
「小狼と二人で行ってきてね☆」
「えぇっ?!///」
「フ、ファイさん?!///」
聞いていない、といった表情で小狼君は慌てていた。もちろん私も。
「だってー二人とも誕生日でしょ?たまにはゆっくりしてきなよー!」
そう言いながら、ファイさんは映画のチケットを二枚小狼君に手渡す。
でもこれってなんか…///
「デートみたいだね☆」
「モ、モコナ///」
真っ赤になった私達の背中を、ファイさんはドンッと押して外に出す。
ごちそう作ってまってるねー!、と言いながら。
呆気にとられて地面に座り込んでる私を見て、小狼君はスッと手を差し延べてくれた。
「せっかくだから…行きましょう///」
顔が赤くなるのが分かる。でも小狼君も赤いのは、気のせいかな?
「…はい///」
差し出された手は、とても温かかった。
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