short novel

□バレンタイン・パニック☆
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―――


―コンコンッ

胸のドキドキを抑えながら、緊張で震える手で、小狼君の部屋のドアをノックする。

「小狼君?…ちょっといい?」

「姫?どうぞ」

肯定の返事を聞き、カチャリとドアを開き部屋へと入る。ベッドに腰かけて、資料を読んでいた小狼君。
電気が付いていない部屋の中は、月明かりで淡く灯されていた。

月明かりの下の小狼君はなんだか綺麗で…心臓がもっとうるさくなって、顔が熱くなってきた。
耐えきれなくなったように私は小狼君にチョコレートを差し出す。

「こ、これ…受け取って欲しいんだ///」

「俺に…?」

「うん…///」

小狼君に作ったのは、ハート型のチョコレート。
チョコレートブラウンの上に「小狼君へ サクラより」と書いてある。
小狼君は受け取ってくれて、嬉しそうに微笑んでくれた。その笑顔を見れて、私の心もふわって温かくなった。

「ありがとうございます///いただきます」

パキンと音がして、小狼君がチョコを食べている。
美味しいって喜んでくれるか不安で、私はじーっと小狼君を見ていた。
チョコを飲み込んだ後、小狼君の動きが一瞬止まる。

「小狼君…?美味しくなかった…?」

覗き込もうと、一歩ベッドに近づく。
その瞬間、強く引っ張られる手。



気付けば、私は小狼君の腕の中にいた。


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