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□嘘かまことか!?カップルコンテスト!
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「姫、俺がソファーで寝ますから」

「でもでも!小狼君だって疲れてるのに!」

ここは園内のホテルのスイートルーム。
広い室内に、眼下に広がる夜景。さらにゴージャスなダブルベット。

…なぜ俺とさくらがベットの譲り合いをしているかというと…




――――

『あれー?小狼君ここ読んでみて〜』

ファイの長い指の先を辿り、読んでみる。

『……本日限りペア宿泊券!?つまり二人だけってことですか!?』

『そうだねー。まぁカップルコンテストだったんだから当たり前なんだよねぇー』

『どうすんだ?』

黒鋼の問いに、んー、と腕を組み考えるファイ。

『とりあえずー賞金でご飯食べてー、その残りで黒様と俺とモコナは別の所に泊まろう!』

『えぇっ!?///』

慌てる小狼。あまり分かっていないさくら。

『だって二人が泊まらないと変に思われちゃうかもでしょ〜?俺達が一緒に泊まるのも無理だしー』

『分かりました///』

『姫!?///』




――――

夕飯も食べ、ファイさん達と別れ、お風呂も入った。
今俺達が身に纏っているのはホテルのロゴが入ったお揃いのパジャマ。


「じゃあ一緒に寝ればいいんだよ!」

「姫!?///」

さくらの突拍子もない提案に、心臓が跳ね上がった。

「なんかこの部屋広くて寂しくて…近くに居てくれたらなぁって…」

「姫…」

さくらが俺に甘えてくれたことが嬉しくて、少しよこしまな考えを持った自分を叱りつつ、ヒョイと彼女をお姫様抱っこしてベットへと運んで行った。

「小狼君?」

さくらをそっと横にし、手を握る。

「姫が寝るまで、こうしてますから」

「…ありがと」

微笑み合い、俺は両手でしっかりと握った。
さくらは昔から、こうするとすぐに寝たから。
穏やかな睡魔が襲ってきたのか、さくらの瞳がまどろみ始める。

「私ね…」

「はい?」

「私、小狼君に触れるの、本当に好きなんだ…」


その言葉を最後に、静かな寝息が聞こえてきた。

「………」

俺の視線は、寝息で僅かに動くさくらの唇に注がれている。

コンテストの最後、…しようと思えばできたけど、唇にはしなかった。
頬を染めて目をつむるさくらが、ホントに可愛いかったから。
触れたら、抑え切れなくなりそうだったから。
でも…


『私、小狼君に触れるの好きなんだぁ…』



手を解き、さくらの頬に添える。


ゆっくりと近付き、一瞬だけ、
さくらの吐息を、
唇の柔らかさと甘さを、
自分の唇で感じる。



「少しは…期待しても、いいのかな?」



新しい関係が、成り立ち始めていることを。



「おやすみ。良い夢を」


さくらの額にもう一度口付け、彼女を見守る。



さくらが、微笑んでくれた気がした。








君に触れられて、俺は幸せ




君もそれを好きだと言うのなら、




これからもその手を離さずに、





未来へと、共に歩んで行こう。





温もりをこの手に握りしめながら―――




END

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