*novel*
□*大切な日だから*
1ページ/3ページ
―大切な日だから
「ねぇ、小狼くん」
サクラは、ソファーに座って本を読んでいる小狼に話し掛ける。
「何ですか?」
小狼は顔を上げ、首を傾げる。
「えっと‥今日、忙しいかな‥?」
見つめながら、問い掛ける。
「いえ。
今日は、とくに何もないので」
「良かったぁ」
その言葉を聞いて、ホッとし微笑む。
「じゃあ、今日は‥ずっと私の傍に居てくれないかな‥?」
頬を紅く染めて、小さな声で言う。
それを聞いた小狼もつられて、頬を紅くしながらも微笑む。
「分かりました。
サクラ姫の望み通りに‥」
サクラの片手を手にとり、手の甲に軽く口付けた。
今日は‥二人で
過ごしたかったの‥
貴方と私が産まれた
大切な日だから‥
小狼ver.